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GUIDE / PHTHALIC-ANHYDRIDE

無水フタル酸の等級の違いと選び方

可塑剤や不飽和ポリエステル樹脂、塗料や染顔料の原料、試験研究に使う無水フタル酸の3つの種類、化学式と分子量、試薬特級と一級・EPの違い、25kgの袋と工業用、法規制と保管、値段を、メーカーの公式資料と安全データシートをもとにまとめました。

2026年10月29日更新

この記事の答え

無水フタル酸は、可塑剤や不飽和ポリエステル樹脂、塗料や染顔料の原料に使う白い結晶の酸無水物です。等級と荷姿で、試薬特級(GR)、一級・EP、25kgの袋と工業用に分かれます。選ぶときは「何に使うか(分析・合成・製造の原料)」「どの量で受けるか」「どの不純物まで保証してほしいか」の3つを先に決めます。

無水フタル酸の化学式と性質

無水フタル酸の化学式はC6H4(CO)2O(分子式C8H4O3)で⁠、分子量は148.12、CAS RNは85-44-9です。外観は白色の結晶〜結晶性粉末か、フレークです。

富士フイルム和光純薬の安全データシートでは、水にはほとんど溶けず、エタノールにもやや溶けにくいとしています。試薬特級の規格では、融点を131〜133℃と決めています。

比較ページには、日本の会社が自社製品として出す無水フタル酸を、品番・等級・荷姿の単位で載せています。原料のナフタレン、フタル酸エステルの可塑剤、無水フタル酸から作る樹脂は載せていません。

3つの種類

  • 試薬特級(GR)⁠は⁠、⁠純⁠度99.5〜100.3%に加えて不純物の上限まで決めた等級です。富士フイルム和光純薬・関東化学・純正化学・ナカライテスク・米山薬品工業が500gで出しています
  • 一級・EPは、純度を保証する等級です。不純物の規格は特級よりゆるく、関東化学・国産化学・米山薬品工業が500gで出しています
  • 25kgの袋と工業用は、試作や製造の工程で使う量を受ける品です。純正化学が試薬の一級を25kgで出し、JFEケミカルが工業用を作っています

試薬特級で見る所

  • 富士フイルム和光純薬の161-02485は、規格書で塩素化合物0.002%以下、硫黄化合物0.003%以下、重金属と鉄は5ppm以下です
  • 純正化学の72140-0401は、強熱残分0.005%以下まで規格にしていて、塩素化合物は0.002%以下です
  • ナカライテスクの27818-35も、強熱残分0.005%以下、重金属と鉄は5ppm以下で、規格書に試験の方法まで書いています
  • 関東化学の32211-00と米山薬品工業の37457は、製品ページに純度だけを書いています。不純物の上限は規格書で確かめます

一級・EPの選び方

  • 一級・EPは、合成の原料や実習のように、特級の不純物の上限まで求めない所で使います
  • 関東化学の鹿1級(32211-01)は、純度99.0%超で、500gは2,100円(税抜)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 米山薬品工業のEP(37873)は、純度99%で、500gは2,300円です
  • 国産化学のK-EP(2114186)は⁠、500gを4,200円で出し、25g(2122995)もあります

25kgの袋と工業用

  • 純正化学の純正一級(72140-1267)は⁠、25kgの荷姿です。純度99.0%以上、強熱残分0.02%以下、鉄0.001%以下の規格書があります
  • JFEケミカルは、95%ナフタリンを触媒酸化して無水フタル酸を作っています。無水フタル酸の製造では世界で唯一の流動層方式です
  • JFEケミカルの工業用は、純度99.5%超、凝固点130.9℃超、全硫黄10ppm未満で、無色透明です
  • 主な用途は、可塑剤原料、塗料や染顔料、不飽和ポリエステル樹脂です。可塑剤は塩化ビニル樹脂に柔軟性を与え、壁紙や床材、電線の被覆に使われます

無水フタル酸の危険性と保管の注意

  • 富士フイルム和光純薬の安全データシートでは、毒物及び劇物取締法と消防法はどちらも非該当です
  • 化管法の第一種指定化学物質で、労働安全衛生法では名称等を表示・通知すべき物質に当たります。ラベルとSDSを合わせます
  • 呼吸器感作性と皮膚感作性を区分1、眼刺激性を区分2A、急性毒性(経口)を区分4に分類しています。使う製品のSDSで保護具を決めます
  • 直射日光を避け、換気のよい涼しい場所に密閉してしまっておきます。強酸化剤と混ぜないようにします

購入価格と見積もり

  • 500gの試薬特級は、純正化学が2,000円、関東化学が2,200円(税抜)、ナカライテスクが2,290円(税抜)、富士フイルム和光純薬が2,300円(税抜)、米山薬品工業が2,700円です
  • 一級・EPの500gは、関東化学が2,100円(税抜)、米山薬品工業が2,300円、国産化学が4,200円です
  • 税抜と書いていない会社もあるため、比べるときは税の扱いを各社に確かめます
  • 少量なら、関東化学の鹿特級25g(32211-30)が1,900円(税抜)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 25kgの袋と工業用は値段を出していません。量・等級・納期を伝えて見積もりを取ります
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