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GUIDE / PHOSPHORIC-ACID

リン酸とは?工業用・試薬・食品添加物用の違いと濃度・不純物規格・荷姿の選び方

金属表面処理・分析試験・食品製造に使うリン酸の用途、工業用・試薬用・食品添加物用・電子工業用の違い、濃度と不純物規格、包装量と価格の見方を、メーカーの公式資料から整理しました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

リン酸は、金属表面処理や分析試験、食品のpH調整などに使う無機酸です。発注するときは、用途に合うグレードを決め、濃度・不純物規格・荷姿をそろえます。同じ85%でも工業用と食品添加物用では保証項目が違い、試薬特級とHPLC用も使い分けます。

リン酸とは

リン酸の化学式はH₃PO₄で、オルソリン酸・オルトリン酸・正リン酸・燐酸とも呼ぶ物質です。ラサ工業の製品資料は、金属表面処理剤・研磨剤・防錆処理剤の原料、食品添加物などの用途を案内しています。

リン酸のメーカー比較では、業務用の水溶液を扱っています。リン酸塩、ポリリン酸・強リン酸、亜リン酸、混酸は含めていません。品番のある試薬は包装まで固定し、型式のない工業原料はグレード・濃度・荷姿で区別しています。

用途・グレードの違い

  • 工業用は、金属の洗浄・化学研磨・電解研磨や塗装下地処理に使います。下関三井化学の精製燐酸は、これらの用途を公式に案内しています
  • 試薬用は、分析試験・一般実験に使います。関東化学の32187-00は特級、純正化学の84045-0301は試薬特級です。試験法が指定する規格に合わせます
  • 食品添加物用は、食品のpH調整・酸味付けや食品添加物の原料に使います。日本化学工業は、工業用と食添用を分けて製品規格を公開しています
  • 電子工業用は、電子材料のエッチング向けです。燐化学工業のEL-Sはパーティクルを低減したグレードで、半導体向けに案内しています

出典:下関三井化学、日本化学工業、燐化学工業。試薬の規格は比較表の各製品の公式資料で確認できます。

濃度と不純物規格の見方

  • 濃度は製品名の呼称と規格値を分けて読みます。下関三井化学の工業用75%は含量75.0%以上、日本化学工業の工業用85%は85.0%以上です
  • 塩化物・硫酸塩・鉄・ヒ素などは、工程の受入規格と照合します。日本化学工業の工業用85%は、塩化物1ppm以下、硫酸塩2ppm以下、鉄3ppm以下です
  • 「鉛」と「重金属(Pbとして)」は同じ測定項目として扱いません。ラサ工業は工業用で重金属、食品添加物用で鉛を規定しています
  • 同じ濃度でも規格は違います。ラサ工業の85%では、鉄の上限は工業用が5ppm、食品添加物用が3ppmです

出典:日本化学工業・工業用85%の規格書、ラサ工業の規格表⁠。単位と「以下・以上」⁠ま⁠でそろえて比較します。

試薬特級とHPLC用

富士フイルム和光純薬の試薬特級は、濃度に加えて塩化物や金属類などを規定しています。HPLC用は、吸光度と蛍光試験の規格を持ちます。

  • 試薬特級の167-02166は、濃度85.0%以上、塩化物2ppm以下、鉄5ppm以下です。いずれも質量分率の規格です
  • HPLC用の162-20492は、含量85.0%以上です。吸光度は220nmで0.03以下、希釈条件は1→4です
  • HPLCでは含量だけを見ず、使う検出法と試験法に必要な保証項目を確認します

出典:試薬特級の規格書、HPLC用の規格書⁠。

荷姿と価格

  • 純正化学の84045-0301は、500g包装です。関東化学の32187-00は500mL包装で、質量と体積を取り違えずに発注します
  • 燐化学工業の工業用85%は、ポリエチレン缶20〜35kg、ドラム缶150kg、車載コンテナ・ローリー5〜10tを案内しています。受入設備と使用量に合う荷姿を決めます
  • 富士フイルム和光純薬の167-02166は500mLで2,200円、HPLC用の162-20492は25mLで3,500円です。どちらも税抜の希望納入価格で、総額だけでは同じ条件の比較になりません

出典:純正化学の規格書、関東化学の製品情報、燐化学工業の荷姿、和光の試薬特級・HPLC用。価格・仕様の確認日は2026年10月28日です。

発注前の確認

  • 用途・グレード・濃度・不純物の上限・荷姿を発注仕様に書きます。数値が公開されていない項目は、メーカーに保証範囲を確認します
  • 製品の最新版SDSを取り、保護具・取扱い・保管・廃棄の条件を確認します。物質一般の情報だけで、購入する製品の取扱いを決めません

物質一般の安全情報は厚生労働省・職場のあんぜんサイト⁠にあります。実際に使う製品のSDSと、職場の作業手順を照合してください。

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