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GUIDE / HYDROCHLORIC-ACID

塩酸とは?工場・研究室で使う塩酸の種類(工業用・特級試薬・精密分析用・電子工業用)と⁠、濃度・不純物規格・荷姿の選び方

中和・金属の洗浄や錆とり・分析試験に使う塩酸の4つの種類、合成塩酸と精製塩酸の違い、濃度、鉄などの不純物規格の読み方、荷姿と値段、劇物としての扱いを、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

塩酸は、塩化水素の水溶液で、中和・pH調整・金属の洗浄や錆とり・分析試験の前処理に使う強い酸です。工場で大量に使う工業用(合成塩酸)、一般の試薬(特級)、微量金属を測る精密分析用・超高純度、電子工業用に分かれます。濃度は35%前後の品が多く、選ぶときは「何に使うか」「どの金属をどこまで低くしたいか」「どの荷姿で受け入れるか」の3つを先に決めます。

塩酸とは・化学式

塩酸は、塩化水素(化学式HCl)を水に溶かした強い酸です。中和、pH調整、工業薬品や食品の原料、金属の表面処理に使います。アルミニウムや鉄などの金属と反応して水素ガスを出し、25%以上のものは発煙します。

比較ページには、日本の会社が自社で作る塩酸を、工業用は製品名、試薬は品番・等級・包装の単位で載せています。容量分析用の標準液、家庭用の洗浄剤、他社品を売るだけの販売店は載せていません。

4つの種類

  • 工業用・食品添加物は、塩水の電気分解でできた塩素と水素から作る合成塩酸が中心です。例は東亞合成の合成塩酸、トクヤマの塩酸A、大阪ソーダ・南海化学・北海道曹達の塩酸です
  • 一般試薬(特級)は⁠、JIS K 8180に合う試薬です。例は富士フイルム和光純薬の080-01066、関東化学の18078-00です
  • 精密分析用・超高純度は、特級より金属不純物の上限を下げた分析用の試薬です。例は純正化学の20010-3130、多摩化学工業のTAMAPURE-AA-100です
  • 電子工業用は、半導体や電子部品の工程向けに、金属不純物をppbの単位で決めた試薬です。例は富士フイルム和光純薬の087-10361、純正化学の20010-2550、林純薬工業のEL 15990-1です

合成塩酸と精製塩酸

  • トクヤマは、水素と塩素を反応させて作るものを合成塩酸(塩酸A)、有機物の製造で副生物として出るものを精製塩酸(塩酸B)と分けています
  • 酸としての性質は同じで、微量に含まれる不純物の種類が違います
  • 南海化学の塩酸は、電解で出る塩素を原料にした合成塩酸で、有機物を含まないので食品添加物にも使えます

濃度と不純物の読み方

  • 濃度は、試薬特級で35.0〜37.0%、南海化学の35%塩酸で35.2〜35.8%、北海道曹達の一般工業用で35.0〜36.0%です
  • 鉄(Fe)の上限は、北海道曹達の一般工業用が0.001%以下、富士フイルム和光純薬の試薬特級が0.2ppm以下、富士フイルム和光純薬の電子工業用が100ppb以下です
  • 微量金属の分析には、多摩化学工業のTAMAPURE-AA-100(各金属不純物100ppt以下)のような超高純度の品を使います
  • 単位が%・ppm・ppb・pptと違うので、数字だけでなく単位と元素をそろえて比べます

荷姿と値段

  • 工業用は、東亞合成が船・タンクローリー・ポリ缶、トクヤマがローリー・タンカー、南海化学がローリーと20kgのポリ容器です
  • 試薬は、富士フイルム和光純薬の試薬特級が500mL・4kg・23kg、林純薬工業のELが500mL・3L・23kgです
  • 値段を出しているのは試薬だけです。富士フイルム和光純薬の080-01066は500mLで1,250円、関東化学の18078-00は500mLで1,300円、林純薬工業のEL 15990-1は500mLで1,400円(どれも税抜)⁠で⁠す⁠。工業用は量と荷姿を伝えて見積もりを取ります

扱うときの注意

  • 塩酸は毒劇法の劇物です。関東化学の18078-00は、特定化学物質等障害予防規則の第三類にも当たります
  • 25%以上は発煙するので、ふたを閉め、換気のよい所で扱います
  • 鉄やアルミニウムと反応して水素ガスを出すので、洗う部材としまう場所の金属に気をつけます
  • 試薬は試験研究用で、医薬品・食品・家庭用品には使えません。製造の原料に使うときはメーカーに確かめます
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