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GUIDE / ETHYLENE-GLYCOL

エチレングリコールとは?工業用・試薬・脱水品の違いと選び方

エチレングリコール(MEG)の用途、工業用原料と試薬の違い、純度・水分・金属不純物・荷姿・価格の選び方を、メーカー公式資料と製品規格書から整理しました。濃度調整済みの冷却液とは分けて説明します。

2026年10月28日更新

この記事の答え

エチレングリコールは、樹脂や不凍液の原料、分析・合成試験の溶剤に使う二価アルコールです。発注するときは、使う工程に合うグレードを決め、純度・水分・不純物の保証項目と荷姿を照合します。一般試薬、脱水品、電子工業用は、同じ物質でもそのまま置き換えられません。

エチレングリコールとは

別名はモノエチレングリコール、MEG、グリコールで、水と任意の割合で混ざる水溶性の原料です。三菱ケミカルはPET樹脂・ポリエステル・不凍液、日本触媒はコンデンサー電解液などの用途を案内しています(⁠三菱ケミカルの製品情報、日本触媒の製品情報)。

メーカー比較で扱うのは、単一物質の工業用原料・試薬です。プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコールエーテルは別物質として除いています。水で濃度を調整した液や、添加剤入りの完成冷却液も含めません。

エチレングリコールは何に使う?用途とグレードの違い

  • 工業用原料は、PET樹脂・ポリエステル・不凍液などの製造で使います。日本触媒のMEGはタンカー・ローリー・ドラム、三菱ケミカルはドラム缶や石油缶などの荷姿を案内しています。
  • 一般試薬は、分析や合成試験、調製液の原料に使います。特級・一級などの規格名と、含量以外の保証項目を照合します。
  • 脱水試薬は、水分の混入を嫌う有機合成で使います。和光の脱水品は、水分50ppm以下の製品です。
  • 不純物管理品は、電子工業用の微量金属管理品やRoHS分析用の試薬です。ELとRoHS2対応用では、保証する不純物が違います。

これは製法による区分ではなく、発注時に確認する用途と規格による分け方です。試薬を試験研究以外の原料に使うときは、メーカーの用途制限も確かめます。和光は、その用途を営業部門に問い合わせるよう案内しています。

化学式・構造式と密度を確認する

三菱ケミカルの製品情報にある化学式はC2H6O2です。純正化学の規格書では、構造式を縮めた表記としてHOCH2CH2OHが使われています(⁠三菱ケミカルの製品情報、純正化学の規格書)。

比重と密度は区別して読みます。純正化学の試薬特級17330-0350は、20℃での密度を1.112~1.116g/mLと規定しています。容量と質量を換算する際は、温度条件と単位をそろえ、別グレードにも同じ保証値が適用されるとは扱いません(純正化学の規格書)⁠。

純度だけで決めない

同じ純度でも、水分と金属の上限は一致しません。

  • 林純薬工業の特級品の品番は、05001065です。含量は99.5%以上、GCによる面積分率で、水分は質量分率0.2%以下です。
  • 林純薬工業のEL品の品番は、51001399です。含量はGCで99.5%以上、水分は0.3%以下です。銅・ニッケル・鉛は各0.1ppm以下、ナトリウムは0.5ppm以下です。
  • 純正化学の試薬特級の品番は、17330-0350です。純度99.5%以上に加え、水分・強熱残分・酸・塩化物・硫酸塩・鉄を規定しています。

ELだから一般特級よりすべての項目が厳しい、とは判断しません。必要な項目を横に並べて確かめます。数値は林純薬工業の特級規格書、EL規格書、純正化学の規格書⁠によります。

水分を嫌う合成試験

和光の脱水品の品番は、059-06315です。規格含量99.5+%、水分50ppm以下の有機合成用で、500mLの包装があります。吸湿性があるため、開封後も試験に水分を持ち込まない扱いを決めます(和光の脱水品)⁠。

SDSの組成欄にある濃度範囲は、製品規格書の保証純度とは分けて読みます。水分の上限を指定する工程では、SDSの組成だけで採用品を決めません。

RoHS分析用と電子工業用

関東化学のRoHS2対応用の製品番号は、14093-08です。500mLの包装で、特級規格に加えてRoHSの規制対象物質を保証する系列です(関東化学の公式カタログ)⁠。

電子工業用ELは、一般試薬の品質項目に微量金属の保証を加えた規格です(林純薬工業のELカタログ)⁠。分析対象や混入を嫌う金属を先に決め、該当する物質の保証上限を照合します。「RoHS2対応用」という試薬の規格名だけで、製造する最終製品の適合は判断できません。

容量と価格をそろえて比べる

公開価格は2026-10-28に確認した掲載値です。

  • 林純薬工業の特級品05001065は、500mLで1,500円の希望納入価格です。税抜です。
  • 和光一級の055-00996は、500mLで2,000円の希望納入価格です。税抜で、規格含量は99.0+%⁠⁠⁠です。
  • 和光の脱水品059-06315は、500mLで9,900円の希望納入価格です。税抜です。
  • 米山薬品工業の01361は、500mLで1,800円の公式掲載価格です。税区分の記載はありません。
  • 純正化学の17330-0350は、1kgのガラス細口ビンで、本体価格3,100円です。

品番と容量、規格、税区分が違う価格を、そのまま安い・高いと判定しません。mLとkgの価格を比べる場合も、条件をそろえて見積もりを取ります。価格の出典は林純薬工業、和光一級、米山薬品工業、純正化学です。

クーラント・冷却水の使用温度と危険物の管理

三菱ケミカルが掲載する融点-13℃・沸点197.6℃は、エチレングリコールの物性です。希釈した冷却液や装置の使用温度を保証する値ではありません。冷却用途では、水溶液の濃度、添加剤、装置側の指定条件を別に確かめます。

純正化学のSDSは、吸入すると有害、臓器の障害などを記載しています。換気と指定の保護具を用い、容器を密閉して保管します。漏出物を水源や河川へ流さず、廃棄方法は購入品の最新版SDSと適用規則に従って決めます(純正化学のSDS)⁠。

見積もり前に決めること

  • 使う工程と目的を伝えます。樹脂原料・冷却液原料・一般試験・低水分合成・微量分析を区別します。
  • 保証純度と試験方法、水分・酸・金属などの上限を指定します。工業用品の参考物性を保証値の代わりにしません。
  • 使用量と包装量、受入設備を決めます。ドラムの正味量や、ローリーからの移送条件はメーカーと照合します。
  • 用途制限と必要書類を確認します。製品規格書・ロットの試験成績書・最新版SDSをそろえ、試験品と量産原料の条件を分けます。
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