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GUIDE / CARBON-FIBER

炭素繊維とは?複合材料に使う炭素繊維(カーボンファイバー)の種類(PAN系・ピッチ系・チョップド・ミルド)と⁠、強度・弾性率・フィラメント数の選び方

複合材料の補強や、樹脂・ゴムに混ぜて導電性・熱伝導を上げる炭素繊維の種類、PAN系とピッチ系の違い、12Kや24Kの意味、チョップドとミルドの使い分け、サイジング、取り扱いの注意を、メーカーと炭素繊維協会の公式資料をもとにまとめました。

2026年10月29日更新

この記事の答え

炭素繊維は、アクリル樹脂(PAN)やピッチを繊維にして熱処理して作る、炭素でできた繊維です。カーボンファイバーとも呼びます。原料でPAN系とピッチ系に分かれ、形では長いまま束ねたトウ(糸)と⁠、短く切ったチョップド、粉のように砕いたミルドがあります。選ぶときは「強度がほしいか、硬さや放熱がほしいか」「連続繊維で使うか、樹脂に混ぜるか」「フィラメント数(トウの太さ)」の3つを先に決めます。

炭素繊維とは

炭素繊維は、アクリル樹脂や、石油・石炭からとれるピッチを繊維にして、熱処理して作る、ほとんど炭素だけの繊維です。炭素繊維協会の解説では、炭素繊維を単独で使うことはまれで、樹脂・セラミックス・金属を母材にした複合材料の補強に使います。

比較ページには、自社で作るメーカーの、樹脂を含ませていない炭素繊維を、品番の単位で載せています。プリプレグや成形したCFRP、織物、フェルトは、それぞれ別の比較ページで扱っています。

3つの種類

  • PAN系(連続繊維)は⁠、アクリル樹脂を原料にした、いちばん多く作られ使われている炭素繊維です。例は東レのT700SC-12000、帝人のHTS40、三菱ケミカルのTR 50S12Lです
  • ピッチ系(連続繊維)は⁠、石炭や石油のピッチを原料にした炭素繊維で、弾性率と熱伝導率を高くできます。例は三菱ケミカルのK13916、日本グラファイトファイバーのXN-90-60Sです
  • 短繊維(チョップド・ミルド)は⁠、炭素繊維を切ったり砕いたりしたもので、樹脂やゴムに混ぜて使います。例は東レのMLD-30、日本グラファイトファイバーのXN-100、大阪ガスケミカルのS-232とS-242です

PAN系とピッチ系の違い

  • 日本グラファイトファイバーの比較表では、引張強度はPAN系が最大6,400MPa、ピッチ系が最大4,000MPaです
  • 弾性率は、ピッチ系が55〜900GPa、PAN系が160〜600GPaです
  • 熱伝導率は、ピッチ系が最大900W/mK、PAN系が最大200W/mKです
  • 強度を上げたいならPAN系、たわみにくさや放熱がほしいならピッチ系を選びます

12Kや24Kの読み方

  • Kは1000を表し、フィラメント(1本1本の繊維)の本数のことです
  • 東レのT700SCは、6,000⁠本・12,000⁠本・24,000⁠本の3種類があります
  • 帝人のHTS40は、3,000⁠本から24,000⁠本までそろいます
  • 本数が多いほど、トウが太くなります

チョップドとミルドの使い分け

  • 三菱ケミカルの説明では、チョップドは通常3〜6mm、ミルドは通常200µm以下の長さです
  • 日本グラファイトファイバーのXN-100は、3mm・6mm・12mm・25mmのチョップドがあり、熱伝導率は900W/mKです
  • 大阪ガスケミカルのS-232は、カールした形のチョップで、少しの量でも導電性を持たせられます
  • 東レのMLD-30は、繊維長30μmのミルドで、熱硬化性樹脂・ゴム・紙・セメントに混ぜて使います

サイジング(サイズ剤)

  • 繊維の表面に付ける薄いコーティングで、加工のときに繊維を守り、樹脂へのなじみをよくします
  • 帝人は、エポキシなどの熱硬化性樹脂用のほか、PEEK・PEI・PA用のサイジングを用意しています
  • 日本グラファイトファイバーのXN-100はサイズ剤なし、大阪ガスケミカルのS-232は表面処理なしです

取り扱いの注意

  • 炭素繊維は電気を通します。飛んだ繊維くずで電気機器がショートしないよう、ほこりを防ぎます
  • 短い繊維が肌につくと、かゆくなることがあります。東レはマスクと手袋を着けるよう案内しています
  • 燃やすと繊維くずが電気障害を起こすことがあるので、産業廃棄物として埋めて処理します
  • 東レは、一部の品番の輸出に経済産業大臣の許可などの手続きを取るよう案内しています

値段

  • このページの製品は、どれも公式に値段を出していません。品番・フィラメント数・量を伝えて、見積もりを取ります
  • カタログの値はどれも代表値で、保証値ではありません
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