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GUIDE / ACETONITRILE

アセトニトリルとは?特級・HPLC用・LC/MS用・脱水品の違いと選び方

HPLCの移動相や核酸合成、電池材料に使うアセトニトリルの性質、工業用と試薬の違い、純度・水分・吸光度の規格、荷姿と価格の選び方を、メーカー公式資料でまとめました。

2026年10月29日更新

この記事の答え

アセトニトリルは、水とよく混ざる極性溶媒です。工業用、特級試薬、HPLC・LC/MS用、脱水・低水分品では保証する項目が違います。「分析か合成か」「どの波長で測るか」「水分をどこまで嫌うか」を決めてから、品番と規格書を照合します。

アセトニトリルとは

アセトニトリルは、ACN・シアン化メチルとも呼ばれる溶剤です。旭化成の基本情報では、沸点は81.6℃、誘電率は37.5で、水と完全に混ざる極性非プロトン性溶媒と説明しています。UV透過下限は約190nmで、HPLCの移動相に使えます。

用途は分析だけではありません。旭化成は、核酸医薬の合成・精製、リチウムイオン電池用電解液、フォトレジスト、農薬などを用途として案内しています。

アセトニトリルのメーカー比較には、自社で作るか自社ブランドの試薬として出しているメーカーの製品を載せています。アセトン・メタノールなど別の溶媒、ギ酸やTFAを加えた混合移動相、重水素化アセトニトリルは含めていません。

用途で分けるグレード

  • 工業用(バルク)は⁠、原料メーカーがドラムやコンテナで出す品です。旭化成の一般グレードは純度99.9%以上、水分500ppm以下です
  • 特級・一般試薬は、試験法が指定する等級で選びます。関東化学の品番01031-00は、特級でJIS K 8032を案内しています
  • HPLC用は、UV吸光度・水分・過酸化物などを保証した品です。ナカライテスクの品番00430-41は、200nmから400nmまで吸光度を規定しています
  • LC/MS用は、HPLC用の項目に質量分析向けの試験を足した品です。富士フイルム和光純薬の品番012-19851は、0.5μm以上のパーティクルを100個/mL以下と規定しています
  • 脱水・低水分品は、水を嫌う合成に使います。林純薬工業の品番01006056は、核酸合成用で水分10ppm以下です

吸光度とグラジエント試験を合わせる

HPLCでは、検出に使う波長でベースラインが乱れないかが大事です。規格書の吸光度は、メーカーごとに波長の刻み方が違います。

  • 富士フイルム和光純薬の品番019-08631は、200nmで0.04以下、240nmで0.005以下です
  • ナカライテスクの品番00430-41は、200nmで0.050以下、240〜400nmで0.009以下です
  • 林純薬工業の品番33000106は、グラジエント試験を210nmと254nmで規定しています。254nmでは0.004以下です
  • 純正化学の品番11255-3080は、200nmで0.05以下、225〜400nmで0.01以下です

水分を合わせる

水分は、資料によってppmと%で書き方が違います。0.001%は10ppmに当たるので、単位をそろえてから比べます。

  • 林純薬工業の品番01006056は、水分10ppm以下です
  • 関東化学の品番01837-05は、水分0.001%以下の脱水品で、アルゴンを封入しています
  • ナカライテスクの品番00439-35は、核酸合成用で水分0.003%以下です
  • HPLC用は、富士フイルム和光純薬の品番019-08631が0.03%以下、林純薬工業の品番33000106が0.05%以下です
  • 原料グレードでは、旭化成の高純度グレードが200ppm以下、一般グレードが500ppm以下です

荷姿と価格

研究室の瓶と工場のドラム・コンテナでは、受け入れる量も手続きも違います。容量と税の条件をそろえて比べます。

  • 林純薬工業の品番33000106は、1Lの希望納入価格が6,500円です。税抜です
  • ナカライテスクの品番00430-41は、1Lの定価が8,050円です。税抜です
  • 富士フイルム和光純薬の品番019-08631は、1Lの希望納入価格が9,200円です。消費税等は含みません
  • 関東化学の品番01031-00と、純正化学の品番11255-0330は、どちらも500mLで2,600円です
  • 米山薬品工業の品番01076は、500mLで2,000円です。製品ページに税区分の記載はありません
  • 旭化成の一般グレードは、ドラム150kg/本、JRコンテナ10t/車、ISOコンテナ17t/車で出荷します。価格は見積もりです

旭化成は2025年5月27日、川崎精製工場の閉鎖を含むアセトニトリルの供給体制の見直しを発表しました。今後は韓国の子会社で作った製品を国内へ供給する方針です。大口で受けている工場は、供給元と規格書の版を確認します。

買う前と使う前に確認すること・よくある疑問

  • 毒物及び劇物取締法の劇物です。林純薬工業の通販では、注文時に毒物及び劇物譲受書を求めています
  • 消防法では危険物第4類第1石油類(水溶性)に当たります。保管量と火気を管理します
  • 試薬は試験研究用です。富士フイルム和光純薬は、試験研究用以外の用途や原料に使う場合、営業部門への問い合わせを求めています

アセトニトリルとアセトンはどう違う?

旭化成の比較表では、沸点はアセトニトリルが81.6℃、アセトンが56℃です。毒物及び劇物取締法では、アセトニトリルが劇物で、アセトンは非該当です(旭化成⁠のアセトニトリルの基本情報)⁠。

アセトニトリルのにおいは?

富士フイルム和光純薬は、エーテル様芳香のある無色の液体と説明しています。水・エタノール・アセトンとは混ざり、飽和炭化水素とは混ざりません(富士フイルム和光純薬⁠の製品情報)⁠。

「CG」「LC」は何の略?

旭化成のよくある質問では、CGはChemical Grade、LCはLiquid Chromatographyの略です。旭化成の一般グレードは、従来「工業用グレード」と呼んでいた製品と同じものです(旭化成のよくある質問)⁠。

出典は比較ページの公式資料一覧⁠にまとめています。規格・荷姿・価格の確認日は2026年10月29日です。

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