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GUIDE / PARTS-CLEANER

パーツクリーナーとは?速乾・遅乾・樹脂に使えるタイプ・一斗缶の違いと選び方

整備と製造の現場で部品の脱脂に使う業務用のパーツクリーナー(ブレーキクリーナー)の成分、速乾と遅乾の違い、樹脂やゴムへの影響、消防法の区分と有機則の見方、一斗缶の原液の使い方を、法令とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月13日更新

この記事の答え

パーツクリーナーは、部品に付いた油やグリースを溶かして落とし、そのまま揮発して乾く脱脂洗浄剤です。業務用は、すぐ乾く速乾タイプ、ゆっくり乾いて油を溶かす遅乾タイプ、樹脂やゴムに使えるタイプ、一斗缶の原液や水系の液の4つに分かれます。選ぶときは「すぐ組むか、じっくり溶かすか」「樹脂やゴムが付いているか」「火気や電気のそばで使うか」の3つを先に決めます。

パーツクリーナーとは

部品に吹き付けて、油・グリース・切削油・防錆油を溶かして流し、溶剤が揮発して乾く洗浄剤です。ブレーキクリーナー、脱脂洗浄スプレーとも呼ばれ、表の製品の多くはブレーキ&パーツクリーナーという名前で、ブレーキ周りと機械部品の両方に使えます。

  • 成分:石油系溶剤・炭化水素とアルコール類が中心です。不燃性の製品はフッ素系の溶剤を使います
  • 噴射剤:スプレー缶はLPGや二酸化炭素(炭酸ガス)で噴きます
  • 荷姿:スプレー缶(400〜840mlが多い)⁠と⁠、18Lの一斗缶の原液・溶剤があります

比較ページには、整備工場・製造現場で使う業務用のパーツクリーナーを、各社1〜2製品ずつ載せています。家庭用だけの製品、電気接点の専用品、洗浄機、通販やホームセンターのプライベートブランドは載せていません。

4つのタイプ

速乾タイプ(スプレー)

吹き付けると溶剤がすぐ飛んで乾くスプレーです。拭き取りの手間が少なく、洗ってすぐ組み付けられます。

  • 例:No.1422(呉工業)、パーツ&ブレーキクリーナー840(イチネンケミカルズ)、BPS‑840(トラスコ中山)、Q TYPE(東洋化学商会)、BC‑9(和光ケミカル・ワコーズ)
  • LOCTITE SF 7063(ヘンケルジャパン)は20℃で60秒以下で乾き、接着剤を塗る前の下処理に使います

遅乾タイプ(スプレー)

わざと乾きを遅くして、液を汚れにとどめて溶かすスプレーです。固まったグリースやチェーンの油に向きます。

  • 例:Y016(エーゼット)、CPC(ヴィプロス)、S TYPE(東洋化学商会)、植物性パーツクリーナー(イチネンケミカルズ)、BC‑2(和光ケミカル)
  • 揮発がゆっくりなので、洗った所に結露が出にくく、水滴による錆を抑えられます

樹脂・ゴムに使えるタイプ

プラスチックやゴムを傷めにくい溶剤を使ったスプレーです。

  • プラセーフ No.1437(呉工業)⁠は⁠、金属とプラスチックの混合パーツをそのまま洗えます
  • エレックリーン FC‑216(ファインケミカルジャパン)は不燃性のフッ素系で、通電中のモーターや配電盤を分解せずに洗えます

大容量・液体(一斗缶・⁠⁠⁠水系)

18Lの原液や溶剤、水系の洗浄液です。

  • ブラック原液 18L(エーゼット)⁠は⁠、スプレー缶への詰め替えや洗浄槽に使えます
  • パーツクリーナー ECO(東栄産業)は18L缶から手押しスプレーに詰め、オベロンの充填システムは専用溶剤16Lを専用ボトルに詰めます
  • S‑9740(鈴木油脂工業)は部品を浸けるか塗って使う18L缶の脱脂洗浄剤です
  • SA‑5(ユニカル)はアルカリ性の水系洗浄剤で、洗浄槽やシャワーの設備で使います

樹脂・ゴム・塗装面への影響

いちばん失敗しやすいのがここです。同じ速乾でも、使える素材は製品ごとに違います。

  • 金属専用:No.1422(呉工業)⁠は⁠ゴ⁠ム⁠・プラスチック・塗装面には使いません
  • 一部を侵す:LOCTITE SF 7063、スーパークリーン FC‑211‑S は一部の樹脂を侵すので、目立たない所で先に試します
  • 使える:プラセーフ No.1437、エレックリーン FC‑216、東洋化学商会の Q TYPE・S TYPE(漬け置きは不可)
  • 不燃性の BPSF‑180(トラスコ中山)⁠は⁠、PC・PS・アクリルに吹き付けません

消防法と有機則

消防法の危険物

消防法では、一気圧で引火点が21度未満のものを第一石油類(ガソリンと同じ区分)、21度以上70度未満のものを第二石油類(灯油・軽油と同じ区分)としています。

  • 表の多くは第4類第一石油類です
  • Y016(エーゼット)、植物性パーツクリーナー(イチネンケミカルズ)、BC‑2(和光ケミカル)は第二石油類です
  • BPSF‑180(トラスコ中山)と FC‑216(ファインケミカルジャパン)は不燃性で、非危険物です

有機溶剤中毒予防規則(有機則)

有機溶剤を重さの5%を超えて含むものが、有機則の有機溶剤等です。表では、呉工業・イチネンケミカルズ・トラスコ中山・エーゼット・東洋化学商会(Q TYPE)・ファインケミカルジャパン(FC‑211‑S)などが非該当と書いています。書いていない製品は、SDS(安全データシート)で確かめます。

高圧ガス保安法

エアゾールは高圧ガス保安法で液化ガスとみなされますが、内容積が1L以下などで告示の要件を満たすものは、同法の適用が除外されています(NITEの資料)。

値段の比べ方

値段は、同じタイプの中で1Lあたりに直して比べます。840mlの速乾スプレーは、イチネンケミカルズが516円(税込・通販)、トラスコ中山 BPS‑840が560円(税抜・希望小売価格)、呉工業 No.1422が1,110円(税込)⁠で⁠す⁠。18Lの液は、エーゼットのブラック原液が11,880円(税込)、鈴木油脂工業の S‑9740が40,000円(希望小売価格)⁠で⁠⁠⁠⁠す⁠。

値段を公開していない製品は、品番と本数を決めて販売店に見積もりを頼みます。

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