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GUIDE / CHOONPA-SENJOUKI

超音波洗浄機とは?卓上型・据置型・多槽式・投げ込み式の違いと、周波数・加温・電波法の許可の考え方

工場・研究所・医療・宝飾で使う業務用の超音波洗浄機の4つの方式(卓上型・据置型・多槽式・投げ込み式⁠)⁠の違い、汚れが落ちる仕組み、周波数の選び方、スイープと脱気、加温と洗浄液の決まり、出力50Wを超える機種の電波法の許可と型式指定を、各メーカーの公式資料と総務省の資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

超音波洗浄機は、液に超音波を当て、泡がはじける力などで汚れを落とす機械です。選ぶときは「何をどれだけ洗うか」「どんな汚れか」「洗浄液は水系か溶剤か⁠」⁠の3つを先に決めます。小物なら卓上型、大きな部品をまとめてなら据置型、乾燥まで流すなら多槽式、今ある槽を使うなら投げ込み式です。出力50Wを超える機種は、型式指定の機種を選ぶか、電波法の許可を取って使います。

超音波洗浄機とは

超音波洗浄機は、洗浄液に超音波を当てて、部品や器具の汚れを落とす機械です。比較ページでは、メーカーが自社で作るか自社グループの製品として売り、公式の資料で仕様が確かめられる業務用の機種を並べています。家庭用(眼鏡・入れ歯用)だけの製品、超音波ホモジナイザー(分散機⁠)⁠は入れていません。

方式は大きく4つです。

  • 卓上型:槽と発振器が一体。机に置いて小物を洗う
  • 据置型:床に置く大きな1槽。発振器が別の分離型も含む
  • 多槽式・自動洗浄ライン:洗浄・すすぎ・乾燥の槽を並べ、かごを順に運ぶ
  • 投げ込み式:振動子を手持ちの槽に沈め、別の発振器から超音波を送る

汚れが落ちる仕組み

超音波工業の公式資料では、超音波洗浄は4つの要素が重なって汚れを落とすと説明しています(⁠超音波工業 超音波洗浄と4要素)⁠。

  • キャビテーション:液の中の泡がつぶれるときの強い力で、汚れをはがす。周波数が低いほど起きやすい
  • 加速度:液の分子が細かく揺れる力で汚れをはがす。周波数が高いほど大きい
  • 直進流:超音波が液を押して流れをつくり、液をかき混ぜる
  • 洗浄剤:洗浄液そのものが汚れを溶かす

溶けた空気の多い水では、キャビテーションの力が弱くなります。新しく入れた水をそのまま使うより、脱気してから洗うほうが力が出ます。

周波数の選び方

周波数が低いほど強くはがし、高いほど傷つけにくく、細かいすき間に届きます。

  • 超音波工業は、強固な汚れに26kHz、一般的な汚れに38kHz、ダメージを抑える洗浄に70kHzの機種を用意している
  • 国際電気セミコンダクターサービスの UT20PB と US600PITA は、26・36・46kHz から注文時に選ぶ
  • ヴェルヴォクリーアの VS-100Ⅲ は、28・45・100kHz の3つを交互に出す
  • 卓上型の多くは37〜44kHz(⁠シャープ UT-107H は37kHz、カイジョー 100D は38kHz、ブランソン CPX2800H と日本アレックス SC1504 は40kHz、エスエヌディ US-803 は44kHz)

ムラを減らす:スイープと周波数の切り替え

槽の中には、超音波が強く当たる所と弱い所(定在波⁠)⁠ができ、洗い上がりにムラが出ます。周波数を少しずつ動かすと、強い所が動いてムラが減ります。

  • シャープ UT-107H:37kHzを±0.5kHz動かすスイープモード
  • 本多電子 W-113MKII:24kHzと31kHzを高速で切り替える「爆洗⁠」⁠。細管の内部やスルホール基板の穴まで洗える
  • 本多電子 WSC28:周波数(FM⁠)⁠と出力(AM⁠)⁠の両方を変えて、槽の中をならす
  • ブランソンは、スイープ周波数で洗浄ムラの原因の定在波をなくすと説明している

加温と洗浄液

温めて洗う

ヒーター付きの機種なら、液を温めて洗えます。卓上型の上限は次のとおりです。

  • 日本アレックス SC1504:最大80℃
  • ブランソン CPX2800H:最高69℃
  • シャープ UT-107H:20〜60℃(1℃単位)
  • エスエヌディ US-803:20〜50℃

洗浄液の決まり

使える洗浄液は機種ごとに決まっています。シャープの UT-107 は、弱アルカリ性(pH12未満)・中性の洗浄液は槽に直接入れて使え、不燃性の有機溶剤と弱酸性(pH3を超えるもの⁠)⁠の洗浄液は、ビーカーなどに入れて槽に浸ける間接洗浄だけにしています(⁠シャープ UT-107 仕様)⁠。

部品を溶剤で直接洗うなら、溶剤用に作った洗浄機を選びます。特機工業のオールマイティーシリーズは、フッ素系・臭素系・塩素系の洗浄剤で洗う機種です。

槽の大きさの比べ方

槽容量は、メーカーによって「槽いっぱい⁠」⁠と「水位線まで⁠」⁠のどちらかで書いています。エスエヌディ US-803 は約3.8Lで、水位線までは3Lです。洗う物とかごを入れて液面が上がる分も見て、槽内寸(幅×奥行×深さ⁠)⁠で比べます。

  • 卓上型:3〜4Lが多い。洗う物が槽内寸に入るかを先に見る
  • 据置型:日本アレックス ALC3735-12 は35L、国際電気セミコンダクターサービス UT20PB は24L
  • 投げ込み式:エスエヌディ SU-310A は、推奨する槽の容量を20Lとしている

電波法の許可と型式指定

超音波洗浄機は、電波法の「高周波利用設備」です。10kHz以上の高周波電流を使い、50Wを超える高周波出力を使う設備は、原則として設置の前に許可を受けます。ただし、総務大臣が型式を指定した超音波洗浄機は、許可を受けずに使えます(総務省 関東総合通信局)⁠。

  • 型式指定を取っている機種:カイジョー ソノクリーナー 100D(特注改造品を除く)、シャープ UT-107シリーズ、日本アレックス SCシリーズ
  • 病院で使う超音波洗浄機も、医療用設備ではなく「各種設備」に入る(総務省 東海総合通信局)
  • 据置型・投げ込み式・多槽式は出力が数百Wになる。型式指定の有無を、見積もりのときにメーカーへ確かめる

選ぶ手順

  1. 洗う物の大きさと1回の量を決める(槽内寸とかごの大きさ)
  2. 汚れの種類から周波数を決める(強い汚れは低く、傷つけたくない物は高く)
  3. 洗浄液を決める(水系か、溶剤か。溶剤なら間接洗浄か溶剤用の機種)
  4. 加温の要否と上限温度を決める
  5. 出力50W超なら、型式指定の有無を確かめる
  6. 量が多く乾燥まで流すなら、多槽式の見積もりを取る
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