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GUIDE / KAKUHANKI

撹拌機とは?可搬形・据付形・ホモジナイザー・研究室用の違いと、粘度と量・動力・防爆から選ぶ方法

タンクや容器の液体を羽根で混ぜる撹拌機の仕組み、可搬形・据付形・ホモジナイザー(高せん断ミキサー)・研究室用の違い、粘度と液の量による選び方、電動とエア駆動、防爆と開口部の決まり(労働安全衛生規則)を、法令とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月10日更新

この記事の答え

撹拌機は、モーターやエアモーター⁠で羽根を回し、タンクや容器の中の液体を混ぜる機械です。選ぶときは「どこに付けるか(可搬形か据付形か)」「何をしたいか(混ぜる・散らす・乳化する)」「液の量と粘度⁠」⁠の3つを先に決めます。引火する溶剤の蒸気が出る所では、防爆の電気機器かエア駆動を使います。

撹拌機とは

タンクや容器の液体に羽根(インペラ⁠)⁠を入れて回し、液に流れを作って混ぜる機械です。溶かす、粉を散らす、沈まないように保つ、油と水を混ぜて乳化する、温度をそろえる、といった仕事を、毎回同じ回し方でこなします。

比較ページには、液体(スラリー・塗料・薬液・乳液を含む⁠)⁠を混ぜる型番のある標準品を載せています。粉どうしを混ぜる混合機、動く部分の無いスタティックミキサー、容器ごと回す・振る装置、容器と一体の真空乳化装置は、別の機械なので載せていません。

4つの型

型 付け方 向いている使い方 このページの例
可搬形(⁠ポータブル) タンクやドラム缶の縁にクランプや万力で留める 容器が変わる作業、何本かのタンクを1台で回す 佐竹マルチミクス A720-0.2A、島崎エンジニアリング RP02A、アネスト岩田 AMM-723
据付形 タンクのフタや側面にフランジなどで固定する 決まったタンクで毎日回す、密閉して回す 佐竹マルチミクス AT24-GPR-0.2A、阪和化工機 HP-5003、ユニコントロールズ KM1-60C
高せん断ミキサー・ホモジナイザー スタンドや架台から、高速で回るヘッドを液に入れる 粉を液に散らす、乳化する、塊を細かくする プライミクス ホモミクサーMARK II 2.5型、エスエムテー HG92、みづほ工業 LR-P1⁠型
研究室用 スタンドに付け、ビーカーやフラスコの中を回す 配合の試作、品質管理の溶解 ヤマト科学 LT400C、新東科学 BLh600

可搬形と据付形は、同じ動力と羽根で付け方だけが違う機種をそろえるメーカーもあります。佐竹マルチミクス⁠の0.2kWの中速形は、クランプで挟むA720-0.2Aが111,300円(税抜⁠)⁠、フランジで固定するAT24-GPR-0.2Aが143,400円(税抜)です(公式の価格表、荷造運賃は別⁠)⁠。

羽根とヘッドの形

羽根の形で、液の流れ方と、液にかかる力が変わります。

  • プロペラ:液を上下に大きく回します。島崎エンジニアリング⁠のRP02Aは、三枚のマリンプロペラを2段⁠に付けています
  • 傾斜パドル:板を斜めに付けた羽根で、ユニコントロールズのKM1-60Cは2枚か4枚⁠の傾斜パドルを選べます
  • ローターとステーター(⁠ホモミキサー):高速で回るタービンと、まわりの固定した筒(⁠ステーター)⁠のすき間で、液を強くもみます。プライミクス⁠のホモミクサーMARK II 2.5型はこの形で、500〜12,000r/minで回ります
  • ディスパー:粉を液に散らすための高速の羽根です。みづほ工業のLR-P1型は、ホモミキサー⁠とディスパー⁠の羽根を付け替えて使えます

同じメーカーでも、低速で大きく回す羽根や、高速で回す羽根の機種を別に出しています。羽根は液の粘度と、何をしたいかで決まるので、メーカーに液の性質を伝えて選んでもらいます。

液の量と粘度で選ぶ

撹拌機が混ぜられる量は、粘度で大きく変わります。島崎エンジニアリング⁠のRP02Aは同じ0.2kWで、低粘度なら1,250L、中粘度(⁠1,000mPa·s)なら500Lまでと、粘度ごとの量を出しています。粘度が上がると、同じ出力で混ぜられる量は減ります。

扱える粘度の上限も機械ごとに決まっています。このページの製品では、アネスト岩田のAMM-723が60mPa·s以下の塗料、MONOVATE⁠のNTMA-Aが4,000mPa·s程度まで、プライミクス⁠のホモミクサーMARK II 2.5型が70Pa·sまでです。見積もりを取るときは、液の量・粘度・比重・温度と、何をしたいか(溶かす・散らす・乳化する⁠)⁠を伝えます。

電動とエア駆動

電動は、コンセント⁠や動力の電源につなぐだけで使えます。変速の無い機種は電源の周波数で回転数が決まり、佐竹マルチミクスのA720-0.2A⁠は50Hzで300rpm、60Hzで360rpmです。インバーター⁠や電子制御で回転数を合わせられる機種もあり、ユニコントロールズのKM1-60Cは8〜400rpm、ヤマト科学⁠のLT400Cは25〜1200rpmです。

エア駆動は、圧縮空気でエアモーター⁠を回します。電気の火花が出ないので、溶剤や塗料を扱う場所で使われます。アネスト岩田のAMM-723は0.1〜0.5MPa、MONOVATE⁠のNTMA-Aは0.5MPaの空気で回ります。工場の圧縮空気の圧力と量が足りるかを先に確かめます。

法令の決まり(労働安全衛生規則)

  • 防爆:引火性の物の蒸気や可燃性ガスが、爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所では、その危険に応じた防爆構造の電気機械器具でなければ使えません(第280条⁠)⁠。電動の撹拌機を使うなら防爆のモーターを選ぶか、エア駆動にします。佐竹マルチミクス⁠の2製品は、モーターを耐爆屋外形にできます
  • 開口部:粉砕機や混合機の開口部から人が落ちるおそれがあるときは、蓋・囲い・高さ90cm以上⁠の柵などを付けます(第142条)
  • 取り出し:中身を取り出すときは、運転を止めるか、用具を使わせます(第143条)

条文はe-Gov法令検索 労働安全衛生規則⁠で読めます。

値段の見方

値段を出しているのは、このページの14製品中5製品です。研究室用はヤマト科学⁠のLT400Cが92,000円(税抜)、新東科学⁠のBLh600が198,000円(公式の表示。税込か税抜かの記載なし)です。工場用は、可搬形の佐竹マルチミクスA720-0.2Aが111,300円(税抜)、アネスト岩田のAMM-723が通販で106,678円(税込⁠)⁠、据付形の佐竹マルチミクスAT24-GPR-0.2Aが143,400円(税抜)です。

研究室用の撹拌機は、スタンド・撹拌軸・羽根が別売りのものが多く、本体の値段だけでは使えません。据付形は、タンクの大きさに合わせてシャフトの長さや羽根を決めるので、見積もりを取ります。

選ぶ前に確かめること

  1. 何をしたいか:溶かす・沈まないように保つなら可搬形か据付形、散らす・乳化するならホモジナイザー
  2. 液の量・粘度・温度
  3. 容器:何本かを使い回すか、決まったタンクか。フタを閉めて密閉するか
  4. 場所:引火する溶剤の蒸気が出るか(防爆かエア駆動か)
  5. 電源と空気:単相100V・三相200V・圧縮空気の圧力
  6. 接液部の材質:SUS304かSUS316Lか。異物を嫌うなら、軸のシールが無いマグネット⁠式
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