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GUIDE / KYUUSUI-⁠KI

業務用給湯器・小型ボイラーとは?ガス給湯器・エコキュート・電気温水器・貫流ボイラー・真空式温水ヒーターの違いと選び方

飲食店・ホテル・病院・工場でお湯や蒸気をつくる業務用給湯器と小型ボイラーの5つの方式、号数の決め方、業務用と家庭用の違い、簡易ボイラー・小型ボイラーの区分と資格・届出を、メーカーの公式資料と法令をもとにまとめました。

2026年10月13日更新

この記事の答え

業務用給湯器・小型ボイラーは、店や施設、工場でたくさんのお湯や蒸気をつくる熱源の機械です。ガスを燃やして瞬間に沸かす業務用ガス給湯器、空気の熱でためる業務用エコキュート、ヒーターでためる業務用電気温水器、蒸気をつくる小型貫流ボイラー、ボイラーに当たらない真空式温水ヒーターの5つに分かれます。選ぶときは「1日⁠にどれだけの湯か蒸気がいるか」「燃料は何を使えるか」「扱う人に資格がいるか」を先に決めます。

業務用給湯器・小型ボイラーとは

業務用給湯器は、飲食店の厨房・ホテルの客室や大浴場・病院・高齢者施設で、家庭用より多くの湯を長い時間出し続ける給湯器です。小型ボイラーは、工場の加熱や殺菌、病院の消毒に使う蒸気をつくります。

比較ページには、業務用ガス給湯器・業務用エコキュート・業務用電気温水器・小型貫流ボイラー・真空式温水ヒーターの5つの方式を、各社の代表の製品の単位で載せています。家庭用だけの給湯器、ボイラー技士の免許が要る規模の大型ボイラーだけの製品、工事だけのサービス、中古品は載せていません。

5つの方式

  • 業務用ガス給湯器:ガスを燃やし、水を通した瞬間にお湯にします。例はリンナイのRUXC-SE5001W、ノーリツのGQ-C5042WZ、パーパスのPG-H500W、パロマのPH-E2421HEです
  • 業務用エコキュート(ヒートポンプ給湯機):空気の熱をくみ上げて湯を沸かし、タンクにためます。例はダイキンのEG4617AHVとMEGA・Q、三菱電機のQAHV-N560DとGE-553SU、三菱重工サーマルシステムズのQ-ton、前川製作所のユニモ AWです
  • 業務用電気温水器:タンクの中のヒーターで沸かしてためます。例は日本イトミックのESFE-500UAXです
  • 小型貫流ボイラー:細い水管に水を通して一気に温め、蒸気を出します。例は三浦工業のSQ-1000ZU、サムソンのSE-1000APG、ヒラカワのJSN-1000G-F、日本サーモエナーのEQSH-1002NM、川重冷熱工業のKF-1000AGEです
  • 真空式温水ヒーター:大気より低い圧力の缶で熱媒水を沸かし、熱交換器の水を温めます。例は三浦工業のZV-2004G、ヒラカワのVEC-25HEⅡ、日本サーモエナーのGSAN-251です

業務用ガス給湯器の選び方

号数で選ぶ

号数は、水温より25℃高いお湯を1分間に何L出せるかの数字です。1分間に24L出せれば24号です。1台で足りなければ、同じ給湯器を何台もつないで能力を上げます。

  • リンナイの連結設置用は最大30台・1500号までつなぎ、ひとつのリモコンで動かせます
  • パーパスのマルチシステムは、50号を1システムに最大20台つないで1000号まで組めます。外部の機器なしの簡単2台連結なら48号まで上げられます
  • つないだ給湯器は順番に動き、1台が故障しても残りの台が動き続けます(その間の最大能力は下がります)

エコジョーズ(潜熱回収型)にするか

  • 従来型の熱効率は約80%で、エコジョーズは95%まで上がります。約200℃で捨てていた排気の熱を、2次熱交換器で使うからです
  • ノーリツは業務用エコジョーズの熱効率を、高位発熱量基準で95%、低位発熱量基準で105%と書いています
  • 結露の水(ドレン)が出るので、給湯器の中の中和器で中和してから流します。中和器は消耗品です

資格と届出

  • 連結したマルチ給湯器は瞬間湯沸器の扱いで、ボイラーの取扱資格者や定期自主点検はいりません
  • 消防署への火気使用の届出はいります

業務用と家庭用の違い

  • ノーリツの区分では、業務用は16・20・24・32・50号、家庭用は5・10・16・20・24号です
  • 業務用はつなげて使え、家庭用にある連続燃焼60分のタイマーがありません
  • ノーリツの業務用ガス給湯器は、家庭用より42.5%厚い缶体パイプで、大流量・高流速の使い方に備えています
  • 設計標準使用期間は、業務用が1日10時間使う前提で3年、家庭用が1日1時間で10年です
  • ノーリツは、店や施設では家庭用ではなく業務用の機器を使うよう求めています

業務用エコキュートの選び方

  • ヒートポンプは、使った電気の3倍以上の熱を取り出せます。燃やさないのでCO2が減ります
  • 三菱電機の業務用エコキュートは最高90℃の湯を出せます。水を直接沸かす貯湯運転が得意で、浴槽の保温や暖房のように保温の負荷が大きい使い方は、ホットウォーターヒートポンプで受け持ちます
  • 寒い所では、外気温で選びます。三菱重工サーマルシステムズのQ-ton ESA301-25は外気温-25℃でも90℃の湯を出せます。ダイキンのEG4617AHVは-25℃まで置けますが、-20〜-25℃ではタンク全部を沸き上げられないことがあります
  • 三菱重工サーマルシステムズの試算(入居者50人⁠の老人福祉施設で1日8,000L)では、重油ボイラーより給湯コストが66%低くなっています

小型貫流ボイラーの仕組みと資格

貫流ボイラーは、管の一方から水を送り込み、もう一方から蒸気を取り出します。ためている水が少ないので、早く蒸気が出ます。区分は労働安全衛生法施行令で、伝熱面積と圧力で決まります。

  • 簡易ボイラー:1MPa以下で使う伝熱面積5m²以下の貫流ボイラーは、法令でいうボイラーから外れます。取扱いに資格はいりません。ただし構造規格を備えたものでないと設置できません
  • 小型ボイラー:1MPa以下で使う伝熱面積10m²以下の貫流ボイラーです。扱う人は、事業者が行う特別教育(ボイラーの構造・附属品・燃料と燃焼・関係法令・運転と保守・点検⁠)を受けます
  • 小規模ボイラー:伝熱面積30m²以下の貫流ボイラーは、ボイラー技士でなくてもボイラー取扱技能講習の修了者が扱えます

同じ1,000kg/hでも型式で区分が変わります。三浦工業のSQ-1000ZUとサムソンのSE-1000APGは簡易ボイラー、日本サーモエナーのEQSH-1002NM(伝熱面積9.96m²)と川重冷熱工業のKF-1000AGEは小型ボイラーです。

小型ボイラーの届出と点検

  • 据え付けたら、すぐに小型ボイラー設置報告書を所轄の労働基準監督署長に出します(ボイラー及び圧力容器安全規則)
  • 使い始めたら1年以内ごとに1回、定期自主検査をします
  • 燃料の燃焼能力が重油換算50L/h以上のボイラーは、大気汚染防止法のばい煙発生施設になります

ばい煙測定義務

  • ばい煙発生施設になると、ばいじんと窒素酸化物の量を測って記録します。排出ガス量が毎時4万m³未満の施設は年2⁠回以上です(大気汚染防止法施行規則)

真空式温水ヒーターの選び方

  • 大気より低い圧力の缶の中で熱媒水を沸かすので、労働安全衛生法のボイラーに当たりません。運転に資格がいらず、法定の定期検査もありません
  • 三浦工業の真空式温水ヒータは、負圧の密閉タンクで約80℃で沸かした熱媒水の蒸気で、給水を間接に温めます
  • 日本サーモエナーのGSAN-251は、給湯と暖房など3〜4回路を1台で同時に出せます

価格と補助金

  • 50号のガス給湯器は、本体の希望小売価格(税抜)でリンナイのRUXC-SE5001Wが705,000円、ノーリツのGQ-C5042WZが731,300円、パーパスのPG-H500Wが744,600円です
  • 業務用エコキュートは、三菱電機のGE-553SUが1,263,000円(税別)、ダイキンのEG4617AHVがセットで1,300,000円(税抜)⁠で⁠⁠⁠⁠す
  • 小型貫流ボイラーと真空式温水ヒーターは値段を公開していません。能力と燃料を伝えて見積もりを取ります
  • 業務用ヒートポンプ給湯器は、国の省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)の指定設備に入っています。更新・従来枠の補助率は3分の1以内、1事業あたり30万円〜1億円です
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