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GUIDE / KOGYO-HEATER

工業用ヒーターとは?シーズ・カートリッジ・バンド・ラバー・セラミックの種類と選び方

工場の装置・金型・タンク・配管を温める工業用の電気ヒーターの5つの種類、ワット密度とすき間の決め方、空焼き・絶縁・寿命の注意、電気用品安全法と防爆の決まりを、メーカーの公式資料と法令をもとにまとめました。

2026年10月12日更新

この記事の答え

工業用ヒーターは、電気で熱を出して、工場の装置・金型・タンク・配管を温める部品です。温める物にどう付けるかで、液に入れるシーズヒーター(投げ込みヒーター)、金型の穴に差すカートリッジヒーター、成形機に巻くバンドヒーター、配管やタンクに巻く・貼るラバー・リボンヒーター、赤外線で離れた物を温めるセラミック・パネルヒーターの5つに分かれます。選ぶときは「何を温めるか」「どう付けるか」「何℃まで上げるか」を先に決めます。

工業用ヒーターとは

工業用ヒーター(工業用の電気ヒーター・電熱ヒーター)⁠は⁠、発熱線に電気を流して出る熱で、装置や材料を温める部品です。暖房の家庭用ヒーターと違い、金型・タンク・配管・コンベアの上の製品など、決まった物を決まった温度まで温めるために使います。ヒーターだけでは温度を保てないので、温度センサーと温度調節器を組み合わせて使います。

比較ページには、シーズヒーター・カートリッジヒーター・バンドヒーター・ラバーとリボンヒーター・セラミックとパネルヒーターの5つの形を、各社の代表の製品の単位で載せています。暖房用の家庭用ヒーター、温度調節器だけの製品、熱風機、炉や乾燥機などの装置まるごとは載せていません。

5つの種類

  • シーズヒーター:金属の管の中に発熱線を通し、絶縁の粉で固めたヒーターです。曲げて棒・U字・投げ込みの形にし、水や油・空気を温めます。例は河合電器製作所のシーズヒーター、日本ヒーターのYS-11EWP、坂口電熱のSNH110です
  • カートリッジヒーター:細い棒を金型や熱板の穴に差し込み、中から温めます。例は八光電機のウルトラファイブ HL型、日本電熱のカートリッジヒーター、ワトローのMetric FIRERODです
  • バンドヒーター:金属の帯を円筒の外に巻いて締め、射出成形機のシリンダーやノズルを温めます。例は八光電機のHBH型、加島のバンドヒーターです
  • ラバー・リボンヒーター:シリコーンゴムや布の帯を配管やタンクに巻いて、凍結防止や保温に使います。例は進興電気工業のDPH型、スリーハイのSUSバンドヒーター、東京技術研究所のR型です
  • セラミック・パネルヒーター:セラミックの板やハロゲンランプから赤外線を出し、離れた物の表面を温めます。例はノリタケのPLC、坂口電熱のPH-300、日本ヒーターのIRP型、岩崎電気のIRE270-M、ウシオ電機のQIRです

シーズヒーター(投げ込みヒーター)の選び方

タンクや槽の液を温めるなら、上から入れる投げ込みヒーターが手軽です。日本ヒーターのYS-11EWPは、槽に穴を開けずに上から入れてフックで掛けるだけで、100V単相の1kWです。

  • シースの材料は、温める液と温度で選びます。河合電器製作所の資料では、許容温度はNCF800相当品850℃、SUS321・SUS316L 760℃、鉄の銅メッキ鋼管400℃、アルミ300℃、銅200℃⁠⁠⁠です
  • 液を温めるヒーターは空焼き禁止です。発熱部を液面から出さずに使います
  • 電力密度(発熱部の面積あたりのW)が表面温度を決め、耐久性を左右します。できるだけ低く設計します

カートリッジヒーターの選び方

金型やシールバーの穴に差して使います。穴とのすき間が大きいと熱が伝わらず、ヒーターが過熱して断線します。

  • 八光電機は、穴とヒーターの径の差を0.1mm以下にするよう書いています。日本ヒーターはすき間を+0.3mm以下としています
  • 穴の内面はリーマで平らに仕上げます
  • 高い温度で使うなら、シースの材料と最高温度を見ます。ワトローのMetric FIRERODはAlloy 800のシースで最高760℃⁠⁠⁠です
  • 長く保管したり止めたりしたあとは、絶縁が下がることがあります。絶縁抵抗を測ってから電気を入れます

バンドヒーターの選び方

射出成形機のシリンダーやノズルの外に巻いて使います。内径と幅、電圧、W数を決めて作る特注品がほとんどです。

  • シリンダーにすき間なく密着させて締めます。取付け不良は過熱と早期断線のもとです
  • 空焼き(空気だけを温める使い方)をすると早く切れます
  • 八光電機のHBH型は最高使用温度350℃です。細いノズルや楕円の形なら、加島は内径22mmから作ります

ラバー・リボンヒーターの選び方

配管・タンク・容器に巻く・貼るヒーターです。形に沿って曲がるので、配管の凍結防止や保温、実験装置の加熱に使います。

  • シリコンラバーヒーターの標準の容量密度は0.6〜0.8W/cm²です。断熱材で包むとヒーターの温度が上がるので、容量密度を下げるか温度を制御します
  • 重ね巻きはしません。加熱する物とのすき間が大きいと異常に熱くなります
  • 自分で温度を抑える仕組みは無いので、W数が高いときは必ず温度制御を付けます
  • 進興電気工業のベルトヒータは、発熱部を切って使えません。断熱材で包むときはサーモスタットを付けます

セラミック・パネルヒーター(赤外線)の選び方

離れた物の表面を赤外線で温めます。塗装・印刷の乾燥や、コンベアで流れる板の加熱に使います。

  • 工業用に使う赤外線は0.78〜5.0μmの範囲です
  • ハロゲンヒーターは点ければすぐ熱が出て、消せば止まります。ハロゲンランプは投入電力の約80〜90%を赤外線として出します
  • 遠赤外線のセラミックヒーターは、出す波長と温める物が吸う波長が合うときに一番よく温まります
  • 周りの温度が高い所で温度制御なしに使うと、表面温度が上限を超えることがあります

ワット数と寿命

ヒーターの容量は、面積あたりのW(ワット密度)で考えます。密度を上げると小さくて済みますが、表面温度が上がり寿命が縮みます。定格より低い電圧で使うと、出力は大きく下がります。

進興電気工業は、使い方に合った設計で取付けの環境も良ければ、シーズヒーターの期待寿命を10年としています。寿命は、発熱線の断線・絶縁の劣化・管の腐食で決まります。定期点検で絶縁抵抗と導通抵抗を測り、値が変わり続けるか大きく変わったら交換します。

電気用品安全法と防爆

  • 電気用品安全法で電気用品になる電熱器具は、定格100V以上300V以下・10kW以下で、交流の電路に使うものです。施行令の品目に「工作用又は工芸用の電熱器具」があり、工業用でも品目と定格が当たれば対象です
  • 経済産業省は、電熱器具に当たる製品でも10kWを超えるものは対象外と解釈しています
  • 凍結防止用の電熱器具は、特定電気用品(検査の厳しい区分)に入っています
  • 引火性の蒸気や可燃性ガス・粉じんが爆発する濃度になるおそれのある場所では、防爆構造の電気機械器具しか使えません(労働安全衛生規則)。防爆構造の器具は型式検定を受けるもので、基準は電気機械器具防爆構造規格です
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