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GUIDE / YUATSU-KANKISEN

有圧換気扇とは?ふつうの換気扇との違い、羽根径と台数の決め方、給気口・静圧・周波数、低騒音型・高温用・防爆型の選び方

工場や倉庫の壁に付ける有圧換気扇の仕組み、家庭用の換気扇との違い、必要な風量と台数の決め方、給気口と静圧の考え方、50Hzと60Hzの違い、低騒音型・高温用・防爆型の選び方を、メーカーの技術資料と厚生労働省・法令の資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

有圧換気扇は、工場や倉庫の壁に付けて、外の風や抵抗に負けずに大量の空気を入れ替える換気扇です。選ぶときは「必要な風量と台数」「給気口を取れるか」「付ける場所の音・熱・ガス⁠」⁠の3つを先に決めます。カタログの風量は静圧0のときの値なので、給気口が足りないと風量は出ません。

有圧換気扇とは

四角い枠に収めたプロペラの羽根で、壁の開口から室内の空気を外へ押し出す換気扇です。メーカーによっては「圧力扇」「⁠ユニットファン」とも呼びます。

三菱電機の技術資料は、換気扇の羽根を使い道で分けています。家庭の標準換気扇やパイプ用ファンは「風圧は必要とせず風量を多く必要とする所⁠」⁠、有圧換気扇は「風量は多く・風圧も必要とする所⁠」⁠に使う、としています(⁠三菱電機「送風機の風量と風圧」)。外の風やウェザーカバー・シャッターの抵抗があっても、風量が落ちにくいのが有圧換気扇です。

ダクトの先につなぐ送風機(⁠シロッコファンなど)や、屋根に載せる屋上換気扇、床に置く移動式の送風機は、比較ページには入れていません。

4つの型

型 どんな所に このページの例
標準型 ふつうの工場・倉庫・厨房・畜舎 鋼板・ステンレス・樹脂の一般の型、畜舎用
低騒音型 住宅や事務所が近い所、人が作業する所 羽根の形と回り方で音を下げた型
高温用 炉や乾燥機のまわりなど、周りが熱い所 熱に強いモーターを積んだ耐熱タイプ
防爆型 溶剤や可燃性のガス・蒸気がある所 耐圧防爆のモーターを積んだ型

メーカーによって名前の付け方が違います。パナソニックや三菱電機は、鋼板製の産業用の標準品を「低騒音形⁠」⁠と呼んでいます。名前ではなく、騒音の数字と使える温度で比べます。

必要な風量と台数の決め方

  1. 換気する建物の容積(m³)を出す
  2. 建物の使い方から「換気係数」(容積の空気を1回入れ替えるのにかける分数⁠)⁠を決める。光新産業のカタログは、一般の工場を5〜10としています
  3. 容積を換気係数で割り、1分あたりの必要な風量(m³/min)を出す
  4. 静圧0のときの風量×台数が、必要な風量を上回るように機種と台数を選ぶ

(⁠光新産業 有圧換気扇 総合カタログ)

熱を出す機械が多い所は、熱の量と室内外の温度差から風量を出す方法もあります。換気の回数(⁠1時間に何回入れ替えるか⁠)⁠で決める方法もあり、三菱電機の技術資料に部屋の種類ごとの回数の例が載っています(⁠三菱電機「必要換気量の求め方」)⁠。

給気口と静圧

カタログの風量・騒音・消費電力は、多くが「静圧0⁠」⁠のとき、つまり空気の出入りに抵抗が無いときの値です。三菱電機の資料は、密閉した部屋に換気扇を付けると、すぐに空気が動かなくなり、小さな給気口では排気の力を満たせず風量が足りなくなる、と説明しています(⁠三菱電機「送風機の風量と風圧」)⁠。

  • 排気の有圧換気扇を付けるなら、十分な大きさの給気口(ガラリなど)か、給気用の有圧換気扇を組み合わせる
  • シャッター・ウェザーカバー・防虫網を付けると抵抗が増えて、風量が下がる。メーカーの静圧と風量のグラフ(特性曲線)で見る
  • 吸込側には、羽根径以上の空間を空ける。狭いと流れが偏って、羽根が傷むおそれがある(⁠光新産業 有圧換気扇 総合カタログ)

電源と周波数

  • 羽根径30cmまでは、単相100Vの型がある。40cm以上は三相200Vが中心
  • 同じ型でも、50Hz(東日本⁠)⁠と60Hz(西日本⁠)⁠で風量・騒音・消費電力が変わる。畜舎用のように、周波数ごとに型番が分かれる製品もある
  • 電源を三相にするには電気の工事がいるので、付ける場所の電源を先に確かめる

音・熱・ガス

音 住宅や事務所が近い所は、低騒音型を選びます。騒音の数字は測る位置や条件がメーカーごとに違うので、同じ社の中で比べます。

熱 ふつうの型が使える周囲の温度は、40〜50℃までのものが多くあります。炉のまわりなど熱い所は、耐熱タイプを選びます。耐熱タイプでも、火災のときの排煙設備に使えるとは限らないので、排煙に使うならメーカーに確かめます。

ガス 労働安全衛生規則 第280条は、引火性の物の蒸気や可燃性のガスが爆発の危険のある濃度になるおそれのある場所では、防爆構造の電気機械器具でなければ使ってはならない、と定めています(e-Gov法令検索 労働安全衛生規則)⁠。塗装場や溶剤を扱う場所は、防爆型の有圧換気扇にします。

熱中症対策とのかかわり

令和7年6月1日から、改正労働安全衛生規則で職場の熱中症対策が強化されました。WBGT28度以上か気温31度以上の所で、連続1時間以上か1日4時間を超えて行うと見込まれる作業は、熱中症の自覚症状がある人を報告する体制づくりと、悪くなったときの手順づくり、関係者への周知が事業者の義務です(新潟労働局「職場における熱中症対策が強化されます」)⁠。

有圧換気扇は、こもった熱気を外へ出して作業場の温度を下げる手の一つです。ただし義務になったのは体制と手順なので、換気と合わせて整えます。

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