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GUIDE / TOSOU-BOOTH

塗装ブースとは?湿式(水洗)と乾式の違い、自動車用・粉体用の選び方と届出の決まり

工場や整備工場で使う塗装ブースの4つの方式、湿式と乾式の違い、排気風量と制御風速の見方、フィルターの交換、設置の届出を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

塗装ブースは、吹き付けた塗料のミストを吸い取り、水やフィルターで塗料を捕まえてから外へ出す設備です。業務用は、水で取る湿式(水洗)、フィルターで取る乾式、車や大物を入れるプッシュプル型の部屋、粉体塗装ブースの4つに分かれます。選ぶときは「塗る物の大きさ」「塗料の量と種類」「水を使えるか」の3つを先に決めます。

塗装ブースとは

塗装ブースは、スプレーガンで吹き付けたときに飛び散る塗料のミストと溶剤のガスを吸い込み、塗料を捕まえてから屋外へ出す設備です。スプレーブースとも呼びます。

有機溶剤を使う屋内の作業場では、作業する人がガスを吸わないように局所排気装置かプッシュプル型換気装置を付ける決まりがあり、塗装ブースはその役目もします。塗る物にほこりや塗料が付くのを防ぎ、工場の中や外へのミストの飛び散りも抑えます。

比較ページには、工場・整備工場で使う業務用の塗装ブースを載せています。家庭用・模型用・自作用のブース、フィルターなどの消耗品だけ、塗装ラインを丸ごと設計する一品物、施工やレンタルだけ、中古品は載せていません。

4つの方式

  • 湿式(水洗)ブース:奥で水の膜や水しぶきを作り、塗料ミストを水に落として取ります。例はアネスト岩田のVB-Fシリーズ(ベンチュリーブース)、パーカーエンジニアリングのスクラバーブースです
  • 乾式ブース:バッフル板やフィルターに塗料ミストを付けて取ります。例はアネスト岩田のBBC-Hシリーズ、大塚刷毛製造のA-□□JR型、三陽保安産業のSPBです
  • プッシュプル型(自動車・大物用の部屋):天井や壁から給気し、反対側で排気して、部屋の中に一様な風を流します。例はアンデックスのCAB-07 Hyper、ビーエフケーのアイリス・クリーンパフォーマンスとアイリス・オープン、明々工業のキュービック塗装ブースです
  • 粉体塗装ブース:粉の塗料を吹き付け、付かなかった粉を集めます。例は旭サナックの粉体高速色替塗装システムです

湿式と乾式の違い

湿式(水洗)

  • 水で取るので、フィルターが詰まって吸い込みが落ちることがない
  • 塗料を多く吹く工程や、火の出やすいフタル酸系の塗料に向く
  • 水の補給と、たまったスラッジの処理がいる。アネスト岩田の商品ガイドでは、スラッジと水は特別管理産業廃棄物として扱う

乾式

  • 水を使わないので、水の入れ替えや排水の心配がない
  • フィルターが詰まると風量が落ちる。差圧計(マノメーター)を見て替える
  • フタル酸系などの塗料が付いたフィルターは、積んでおくと自然に発火することがある。すぐ処分するか水に浸す

排気風量と風速の見方

  • 有機溶剤を使うなら、囲い式のブースは開口の面で制御風速0.4m/s以上を出す(有機溶剤中毒予防規則 第16条)
  • 間口が広いほど、排気風量の大きい型式を選ぶ。間口2,000mmのアネスト岩田のVB-20F-M5は排気145m³/minで平均0.6m/s
  • 給気が足りないと、ブースは本来の力を出せない。アネスト岩田のBBC-Hシリーズのように給気ファンを組み込んだ型もある

置くときの届出と点検

  • 設置の前に、所轄の労働基準監督署へ届け出る
  • 付けたあとは1年以内に1回の定期自主検査をして、記録を3年間残す
  • 排気ファンが7.5kW以上だと、騒音・振動の特定施設の届出がいる地域がある(基準は自治体で違う)
  • 塗料は危険物が多いので、量によっては消防署への届出もいる

フィルターの交換

ビーエフケーのカタログでは、交換の目安を次のとおりとしています。使う量で変わるので、差圧計で詰まりを見て決めます。

  • 排気フィルター:3〜6か月
  • 給気フィルター・天井フィルター:6〜12か月

値段の決まり方

掲載した製品は、どれもメーカーの公式資料に値段が出ていません。次のことで値段が変わるので、まとめて伝えて見積もりを取ります。

  • 湿式か乾式か、間口と排気風量
  • 自動車用の部屋型なら、バーナー(乾燥)の有無と熱源(灯油・⁠⁠⁠ガス)
  • 排気ダクトの長さと、屋外へ出す位置
  • 防爆の仕様、照明、給気装置などのオプション
  • 届出の書類づくりを頼むか
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