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GUIDE / SPOT-COOLER

スポットクーラーとは?一体型・大型・据置型の違いと、冷房能力・電源・排熱・熱中症対策の決まりの見方

工場・倉庫・厨房・建設現場で人や機械を冷やす業務用のスポットクーラーの仕組み、一体型・大型・据置型の3つの方式、冷房能力と電源の見方、排熱とドレンの始末、2025年6月施行の熱中症対策の決まりとフロンの点検を、メーカーと国の資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

スポットクーラーは、圧縮機と冷媒で冷やした風を、人や機械のいる所へ直接当てる業務用の移動式エアコンです。選ぶときは「何人の持ち場を冷やすか(吹出口の数)」「どの電源が使えるか(単相100Vか三相200Vか)」「熱と水をどう始末するか(排熱ダクトとドレン⁠)」⁠の3つを先に決めます。

スポットクーラーとは

中身はエアコンと同じで、圧縮機・凝縮器・蒸発器・送風機が入っています。蒸発器で冷やした風を吹出口やダクトから人に当て、取った熱は凝縮器から本体の後ろや上へ出します。部屋のエアコンと違って室外機が無く、1台の箱で冷やすのと熱を出すのを両方やります。

天井が高く扉の開け閉めが多い工場や倉庫は、建屋全体を冷やすのが難しい場所です。スポットクーラーは、人のいる持ち場だけを冷やすために使います。

比較ページには、圧縮機と冷媒で冷やす業務用のスポットクーラーを、1社1〜2製品に絞って載せています。家庭用の窓用エアコン・ポータブルクーラー、ビルや店舗のパッケージエアコン、水を蒸発させて冷やす気化式の冷風扇・冷風機、フォークリフトに載せる車載型、レンタル専用品は載せていません。

気化式の冷風扇との違い

気化式の冷風扇(冷風機)は、水を含ませたフィルターに風を通し、水が蒸発するときに熱を奪う仕組みです。圧縮機も冷媒も無いので、電気代は安く済みます。

  • 冷えるのは、乾いた空気のときだけ。湿度の高い日は、ほとんど冷えません
  • 風に湿気が加わるので、湿度が上がります
  • 冷房能力(kW⁠)⁠で冷える量を示すしくみではないので、スポットクーラーと数字で比べられません

このページでは、冷房能力で比べられないので、気化式は載せていません。

3つの方式

  • 一体型:キャスター付きの小型機。単相100Vで動き、1〜2人の持ち場を冷やします
  • 大型:三相200Vで動き、3口以上の吹出口や何本ものダクトで冷風を分けます
  • 据置型:クレーンやフォークで据え付ける、冷房能力の大きい型。広い現場や遠くの作業場所へ送ります

このページの例は次のとおりです。

  • 一体型:アイリスオーヤマのISAC-2501U-B、信越空調のヒエスポMAC284C、スイデンのSS-25ELN-1、ダイキン工業のSUASP1HS、大同工業所のDGR-1A-SP、ナカトミのSAC-30WS、日動工業のSPC-25ACN、広電のKES251NBB・KES291KBA、ワキタのMSC25A-2
  • 大型:信越空調のヒエスポMAC1604C、スイデンのSS-63EL-3、ダイキン工業のSUKDP5GU、ナカトミのSPC-88
  • 据置型:三菱重工サーマルシステムズのTSC-22T、三菱電機システムサービスのムーヴオアシス工法、流機エンジニアリングのMC-28

冷房能力の見方

冷房能力(kW)は、1時間にどれだけの熱を取れるかを表します。一体型は2kW台が多く、大型は6〜14kW、据置型は28kWや59.1kWまであります。

同じ型でも、能力は条件で変わります。

  • 電源の周波数:ダイキン工業のSUASP1HSは、50Hzで1.6kW、60Hzで2.0kWです。西日本(60Hz⁠)⁠のほうが数字は大きくなります
  • 測る条件:メーカーごとに、測ったときの温度と湿度が違います。アイリスオーヤマのISAC-2501U-Bは自社基準の条件の値です

カタログの能力を比べるときは、どの周波数・どの条件の値かをそろえて見ます。このページのコストの判定も、50Hzの冷房能力1kWあたりの値段で比べています。

電源の選び方

  • 単相100V:一体型の10製品すべて。コンセントにつないで使えます。ほかの機器とコンセントを分けるよう書いている機種もあります
  • 三相200V:大型と据置型。電源の工事を電気工事店に頼みます。ナカトミのSPC-88は電源コードが付いていません

置く場所の電源を先に確かめ、三相200Vが無いなら一体型を何台か並べるか、電源の工事をするかを決めます。

排熱とドレンの始末

スポットクーラーは、冷やした分より多い熱を本体から出します。屋外やとても広い建屋なら気になりませんが、閉めた部屋では、排熱ダクトで窓や壁の外へ出さないと部屋全体の温度が上がります。

除湿した水(ドレン⁠)⁠の始末も、機種で違います。

  • 満水で止まる:アイリスオーヤマのISAC-2501U-B(⁠4.0L)
  • 満水でも止まらない:日動工業のSPC-25ACN(⁠4L)、ワキタのMSC25A-2(⁠5L)⁠。満水前に捨てます
  • タンクレス:広電のKES291KBA
  • 本体で蒸発させる:ダイキン工業のSUASP1HS。排水は約1週間に1回です
  • ホースで流す:スイデン・信越空調の機種は、ホースをつないで続けて排水できます

熱中症対策の決まり(⁠2025年6月施行)

2025年6月1日から、改正した労働安全衛生規則が施行されました(第612条の2⁠)⁠。暑熱な場所で熱中症を生ずるおそれのある作業をするとき、事業者は次の2つをして、作業する人に周知します。

  • 熱中症の自覚症状がある人や、疑いのある人を見つけた人が報告する体制を整える(第1項)
  • 作業場ごとに、作業から離れさせる・体を冷やす・医師の診察を受けさせるなどの手順を決める(第2項)

厚生労働省の通達(基発0520第6号)では、「暑熱な場所」を、WBGT(暑さ指数)が28度以上か、気温が31度以上の場所としています。対象の作業は、そこで1時間以上続くか、1日4時間を超えて行う見込みの作業です。

スポットクーラーを置くこと自体は、この決まりの義務ではありません。ただ、通達は暑い作業場の休憩設備について、冷房設備やミストファンで中の温度と湿度を下げることが望ましいとしています。手順の「体を冷やす」場所や、休憩所の冷房として使えます。

フロン排出抑制法の点検

フロン類を冷媒に使う業務用の空調機器(第一種特定製品)は、フロン排出抑制法で、持ち主(管理者⁠)⁠が点検をします。業務用のスポットクーラーもこの対象です。

  • 簡易点検:すべての機器で、3か月に1回以上
  • このページでは、R32・R410A・R407Cを使う型が多くあります
  • スイデンのSS-25ELN-1は、冷媒にR1234yfを使うノンフロン型です

値段の見方

メーカーの多くはオープン価格で、値段は通販の販売価格で見ることになります。日動工業は公式に標準価格を、信越空調はヒエスポの新品価格を公式に載せています。

比較ページでは、値段を出している製品を、同じ方式の中で冷房能力1kWあたりの値段で比べて「安め・平均的・高め⁠」⁠を付けています。値段を出していない製品は「要見積」です。

出典

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