口コミを書く 製品を比べる種類から探す・⁠⁠⁠⁠⁠⁠無料
GUIDE / MECHANICAL-SEAL

メカニカルシールとは?仕組みと構造・種類・グランドパッキンとの違い・選び方

ポンプや撹拌機の軸の漏れを止めるメカニカルシールの仕組みと構造、単体形・カートリッジ形・分割形・撹拌機用の種類、グランドパッキンとの違い、バランス形と回転形・静止形、交換と漏れの原因、選ぶときに見る点を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

メカニカルシールは、ポンプや撹拌機の回転する軸のまわりで、回る輪(回転環)と止まった輪(固定環)の面を押し当てて、中の液の漏れを止める部品です。選ぶときは「軸径」「液の圧力と温度」「軸の速さ(周速)」「液にスラリーや固まる成分があるか」の4つを先に決め、付け方(単体形・カートリッジ形・分割形⁠)を選びます。

メカニカルシールとは

メカニカルシールは、ポンプや撹拌機などの回転機械で、本体を貫く軸のすき間から中の流体が漏れないように止める部品です。メカシール・軸封とも呼びます。

タンケンシールセーコウの説明では、軸と一緒に回る「回転環」と回らない「固定環」で構成し、軸に垂直な面でこすり合わせて、液体・気体・粉体の漏れを防ぎます。外からの異物の侵入を防ぎ、中の圧力を保つ役目もあります。

比較ページには、工場・プラント・建物の設備のポンプや撹拌機に付ける業務用のメカニカルシールを載せています。自動車・船・航空機の専用品と、圧縮機用のドライガスシールは載せていません。

仕組み(原理)と構造図の見方

三和工機の説明では、メカニカルシールに求められるのは「中の流体を漏らさない」ことと「軸の回転を妨げない」ことの2つです。面をぴったり密着させると漏れませんが、摩擦で回らなくなります。そこで、面のあいだにミクロン単位のすき間を残し、そこへ入った液を潤滑に使います。外へ出るのは蒸気くらいです。

主な部品は次のとおりです。

  • 回転環:軸と一緒に回る輪。カーボンやSiC(炭化ケイ素)⁠で⁠作⁠⁠⁠⁠る
  • 固定環:本体側に止めた、回らない輪。回転環と面で当たる
  • ばね(スプリング):圧力の低いときも面を押し当てる。1本巻きと、小さなばねを何本も並べるマルチスプリングがある
  • 二次シール:輪と軸・本体のすき間をふさぐOリングやゴムのベローズ

グランドパッキンとの違い

グランドパッキンは、軸のまわりの箱に編んだひもを輪にして詰め、上から押さえて漏れを止めます。メカニカルシールは面と面で止めるので、構造は複雑ですが、押さえの増し締めのような手入れがいりません。

タンケンシールセーコウによると、ビルの空調の冷温水ポンプはかつてグランドパッキンが多かったものの、衛生面と手入れの手間からメカニカルシールに替える場面が増えています。グランドパッキンの比較はガスケット・パッキン⁠のページにあります。

種類(形式)の分け方

付け方で分ける

  • 単体形:回転環・固定環・ばねを軸の上で組む。小さく、ISO・DIN規格の寸法の型もある。付けるときはセット位置の寸法をはかる
  • カートリッジ形:工場で組み立て済み。軸に入れて締めるだけで付き、組み間違いが起きにくい
  • 分割形・外装形:2つ割りにして、ポンプを分解せずに付けられる。外装式は運転中も目で見られる
  • 撹拌機用・ドライ形:撹拌機の縦の軸のように、ゆっくり回り振れの大きい軸に付ける。シール液を使わない型もある

圧力で分ける(バランス形とアンバランス形)

三和工機の説明では、液の圧力が高いと面の圧力も上がり、限度を超えると潤滑の膜が切れて焼き付きや漏れの原因になります。そこで、面が受ける力を減らすのがバランス形です。バランス比が1.1〜1.3のものをアンバランス形(低圧用)、0.7〜1.0のものをバランス形(高圧用)と呼びます。

ばねの置き方で分ける(回転形と静止形)

  • 回転形:ばねが軸と一緒に回る。構造が簡単で小さくできる
  • 静止形:ばねを止まった側に置く。遠心力を受けないので速く回る軸に向き、ばねを大気側に置けばスラリーでも動きが悪くなりにくい

シングルとダブル

1組の面で止めるのがシングル形で、ふつうはこれです。スラリーや有毒・引火性の液、高い真空のように1組では不安な所は、2組の面を持つダブル形(ダブル構造)⁠に⁠し⁠、あいだに緩衝液を入れて密封と冷却をします。

選ぶときに見る点

  1. 軸径(またはスリーブの外径)と⁠、今付いているシールの型式
  2. 液の圧力・温度と、真空になるか
  3. 周速(軸の外周の速さ)。ポンプ用は10〜55m/s、撹拌機用は1〜1.5m/sの型が比較ページに並んでいる
  4. 液の中身。スラリー・結晶・固まる液は、ばねが液に触れない静止形・外装形を選ぶ。注水(シール水・フラッシング)を入れられるかも確かめる
  5. 摺動材とゴムの材質。摺動材はカーボン×SiCが多く、硬い粒のある液はSiC×SiCや超硬合金。ゴムはNBR・EPDM・FKMを液と温度で選ぶ
  6. 交換のしやすさ。早く確実に替えたいならカートリッジ形、分解したくないなら分割形

交換方法・取付方法と漏れ原因

単体形はセット位置の寸法を合わせて組むので、慣れた人が組みます。タンケンシールセーコウは、セット位置寸法の組み間違いで工期が延びた例を挙げ、カートリッジ形を勧めています。

漏れの原因で多いのは、圧力が高すぎて面が焼けること、液の中のスラリーや結晶がばねや摺動部に付いて面が追いつかなくなることです。タンケンシールセーコウの例では、リン酸亜鉛のポンプでダイアフラム付きのカートリッジ形に替えて、1〜1.5か月だったシールの寿命が1.5年に延びました。

値段

比較ページの14製品は、どれもメーカーの公開価格がありませんでした。軸径・ポンプの型式・液・温度・圧力を伝えて見積もりを取ります。

比較記事にしてほしい製品の依頼はこちら👉