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GUIDE / BOUSHIN-GOMU

防振ゴムとは?丸形・角形とくら形・吊り形・置く敷くタイプの違いと選定のしかた

工場やビル設備で機械の振動を床や建物に伝えにくくする防振ゴムの4つの種類、固有振動数と振動数比による選定のしかた、材質、付け方、寿命と点検を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

防振ゴムは、機械と床・建物の間に入れて、振動を伝えにくくするゴム部品です。業務用は、ボルトで留める丸形、大荷重の角形と低い振動数に効くくら形、天井から吊る吊り形、置く・敷くだけのマウントとパッドの4つに分かれます。選ぶときは「機械の振動数」「1個に載る重さ」「付け方」の3つを先に決め、防振支持したときの固有振動数が機械の振動数の1/2〜1/3になる型を選びます。

防振ゴムとは

防振ゴムは、ゴムのばねで振動を受けて、機械から床や建物に伝わる揺れと音を減らす部品です。防振マウント・防振パッド・振動防止ゴムとも呼びます。機械の振動が建物の躯体を伝わって、上の階や隣の部屋で音になる「固体伝搬音」を減らすのにも使います。

使い方は2通りあります。機械の振動を床に伝えないために機械を支える場合と、床の振動を機械に伝えないために支える場合です(プロスパイラ⁠の防振ゴム標準品カタログ⁠)⁠。

比較ページには、工場・ビルの設備で使う業務用の防振ゴムを、各社の代表シリーズの単位で載せています。家庭用だけの小物(洗濯機・エアコン室外機・オーディオ用⁠)⁠、自動車・鉄道車両用、ばねや空気ばねの防振装置、除振台、建物の免震装置は載せていません。

4つの種類

  • 丸形:円柱のゴムの上下に金具を付け、おねじやナットで機械の脚と床に留めます。いちばん基本の形です。例は倉敷化工のKA、TOZENのPTM、ヤクモのYMD、プロスパイラのエバーマウント、昭和サイエンスのR型です
  • 角形・くら形:角形は1つで重い荷重を受けます(TOZENのRシリーズ)。くら形は上下をゴムのせん断で受けるのでばね定数が低く、左右は硬く横に安定します(大野ゴム工業のOS)
  • 吊り形:天井から下ろした吊りボルトの途中に入れます。天吊りの空調機・ダクト・配管、吊り天井に使います。例はヤクモのYH型、昭和サイエンスのMSF型です
  • 置く・敷くタイプ:機械の脚の下に置くレベル調整付きのマウント(倉敷化工のハイマウント)と⁠、敷いて使うパッド(プロスパイラのIP、篠田ゴム⁠のM型)です。アンカーやボルトを打たずに済みます

選定のしかた

防振の効き方は、機械の振動数と、防振ゴムで支えたときの固有振動数の比で決まります。比が1.4を超えると防振効果が出て、ふつうは2〜3に選びます。比が1に近いと共振して、揺れはかえって大きくなります(プロスパイラのカタログ)。

固有振動数は、機械の重さと防振ゴムのばね定数で決まります。計算では、動的ばね定数を静的ばね定数の1.4倍として使います(プロスパイラ)。昭和サイエンスのR型は、動的ばね定数を静的ばね定数の1.6倍としています。

手順は次のとおりです。

  • 機械の振動数(回転機械なら回転数)を調べる
  • 機械の重さを防振ゴムの数で割って、1個に載る重さを出す
  • 許容荷重に収まり、固有振動数が機械の振動数の1/2〜1/3になるばね定数の型を選ぶ
  • 付け方(ボルトで留める・吊る・置く)と、場所(屋内・屋外・油)で形と材質を決める

大野ゴム工業のくら形OSは、許容荷重の1/2以下を標準荷重としています。カタログの許容荷重いっぱいで使わず、余裕を見て選びます。

パッドを敷くだけで足りるか

TOZENの技術Q&Aでは、パッドは防振材というより緩衝材で、振動を止める目的の材料としては向かないとしています。負荷荷重は1cm²当たり2〜4kgf/cm²程度が標準です。

敷く場合は、プロスパイラは防振パッドの固有振動数が加振振動数の0.7以下になるように選ぶとしています。篠田ゴムは、パッドを重ねるときは溝の向きを直角に交差させるか間に2mm程度の鉄板を挟み、1枚でたわみが足りないときは2〜4枚重ねるよう案内しています。

材質

標準は天然ゴムです。倉敷化工は、天然ゴムの防振ゴムが使える雰囲気温度を-30〜50℃としています。屋外や水中、油や薬品がかかる所、直射日光・潮風の当たる所では使わないよう案内しています。

切削油が飛ぶ工場では耐油のNBR、屋外ではCRやEPDMを勧めるメーカーもあります(篠田ゴム)。倉敷化工のハイマウントMシリーズは、油やオゾンに強いクロロプレン系ゴムです。

付け方の注意

  • 金具の全面で均等に荷重を受けるように付ける
  • 引張荷重をかけない
  • ねじで締めるときゴムをねじらない。ねじれはゴム高さの20%以下に抑える
  • 配管の振動は、ゴムフレキだけでは止まらないことがある。管内の圧力変動による脈動は配管全体に出るので、横引管・竪管も防振支持する(TOZEN)

(付け方の注意は倉敷化工の「防振ゴム使用上の注意」による)

寿命と点検

倉敷化工は、定期点検で次の4つを見るよう案内しています。

  • ゴムと金具の剥がれ
  • ゴムの割れ
  • 金具の腐食・⁠⁠⁠割れ
  • 高さが変わって周りの部材に当たっていないか

使い始めの高さより20%低くなったら、メンテナンスを考えます。予備品は冷暗所に置き、納入後5年以内に使います。ゴムの表面に出る白い粉(ブルーム)は配合材料が出てきたもので、特性上の問題はなく、拭き取りません。

値段

掲載した製品で、値段を文字で確かめられたものはありません。TOZENは価格表をPDFで公開しています。ほかは型式と数量、機械の重さを伝えて見積もりを取ります。

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