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GUIDE / TORQUE-WRENCH

トルクレンチとは?プレセット形・ダイヤル形・デジタル・トルクドライバーの違いと選び方

工場・整備・建設で使う手で回すトルクレンチの4つの種類、トルク範囲と差込角の選び方、精度と校正の見方、JIS B 4650からJIS B 4652への切り替わり、N·mとkgf·cmの換算を、メーカーの公式資料と規格の資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

トルクレンチは、ボルトやナットを決めた強さ(トルク⁠)⁠で締めるためのレンチです。設定した値で「カチッ⁠」⁠と知らせるプレセット形、針で値を読むダイヤル形、数字で表示して記録するデジタル、小ねじ用のトルクドライバーの4つに分かれます。選ぶときは「締めるのか、確かめるのか」「何N·mで締めるか」「差込角は何mmか⁠」⁠の3つを先に決めます。

トルクレンチとは

トルクは、ボルトを回す力の大きさで、力×長さで表します。中村製作所の総合カタログの例では、100Nの力を20cmのバーの端にかけると20N·mです。トルクレンチは、このトルクを知らせたり測ったりしながら締めるので、締めすぎと締め不足を防ぎ、誰が締めても同じ強さにそろえられます。

比較ページには、工場・整備・建設で使う手で回すトルクレンチとトルクドライバーを、方式ごとに代表の型式で載せています。インパクトレンチと、電動・油圧・空圧のトルクレンチは、使い方が違うので載せていません。

4つの種類

  • プレセット形:先にトルクを合わせておき、そこまで締めると音と手応えで知らせます。目盛りで設定を変える調整形と、トルクが決まった単能形があります。例は東日製作所のQL100N4、中村製作所のN100QLK、KTCのCMPD1004、TONEのT4MN100です
  • ダイヤル形・プレート形:締めている間、針がトルクを指します。置針付きなら締めたあとも最大の値が残ります。例は東日製作所のDB100N-S、KTCのCMD243、中村製作所のN90FK(プレート形)です
  • デジタル:センサーで測って数字で表示し、締めた値を記録します。例はTONEのT4DT200H、スーパーツールのDTRH4200、杉﨑計器のDIW-120です
  • トルクドライバー:小さなねじを決めたトルクで締めます。例は東日製作所のRTD500CN、中村製作所のCN500LTDK、Weraの7441、杉﨑計器のDID-4です

中村製作所の総合カタログでは、単能形は同じ種類のボルトを繰り返し同じトルクで締めるもの、プリセット形は数種類のボルトを違うトルクで締めるもの、と分けています。

トルク範囲と差込角の選び方

型式は、締めたいトルクが入るトルク範囲と、使うソケットに合う差込角で選びます。各社とも、差込角12.7mmで20〜100N·mの型式をそろえていて、比較ページの値段はこの条件で比べています。

  • 締めるトルクより上限が小さい型式は使えません。上限が大きすぎる型式は、柄が長く重くなります(KTCのCMD243は50〜240N·mで全長545mm)
  • 差込角9.5mmの型式で20〜100N·mを受け持つものもあります(⁠スーパーツールのTRH3100、マックメカニクスツールズのTWX100JFC)
  • ナットの大きさとトルクが決まっている作業には単能形を使います。エアコンの冷媒配管では、イチネンTASCOのTA771SV-3が22mmのナットを39.9N·mで締めます

精度と規格(JIS B 4652・ISO 6789)

手動式のトルクレンチとトルクドライバーの日本の規格は、JIS B 4652「手動式トルクツールの要求事項及び試験方法」です。2008年に、それまでのJIS B 4650:2002を廃止して作られ、ISO 6789を基にしています。旧規格のJIS B 4650はトルクレンチだけの規格で、トルクドライバーの決まりはありませんでした。

規格では、指示式(ダイヤル形・デジタルなど、値を読むもの⁠)⁠をタイプⅠ、プリセット式(設定した値で知らせるもの⁠)⁠をタイプⅡと呼びます。東日製作所のトルクハンドブックでは、ISO 6789とJIS B 4652の許容差は、トルクレンチが10N·m以上で±4%・10N·m未満で±6%、トルクドライバーが±6%です。

  • このページのレンチの多くは±3%(⁠東日製作所の自社基準も±3%)
  • デジタルは、東日製作所のCEM200N3X19D-Gが±1%、杉﨑計器のDIW-120が±0.5%
  • 左回りの精度が違う型式があります(⁠スーパーツールのTRH3100は右±3%・左±6%)

ISO 6789は2017年に改訂され、ISO 6789-1が適合試験と表示、ISO 6789-2が校正の方法と不確かさの計算を決めています。

校正の見方

買うときは、校正証明書が付くか、別料金かを確かめます。

  • 付いてくる:TONEのT4MN100・T4DT200H(⁠トレーサビリティ体系図付き)、スーパーツールのTRH3100・DTRH4200、杉﨑計器のDIW-120
  • 初回無償:中村製作所は、校正証明書・検査成績書・トレーサビリティー体系図を初回だけ無償で出します
  • 有償:KTCのCMPD1004・CMD243は検査成績表付きで、校正証明書は有償です

校正の周期は、使う回数と社内の決まりで決めます。中村製作所は周期を決めておらず、初回に出す校正書類は発行から1年を有効期限にしています。東日製作所のトルクハンドブックでは、ダイヤル形のような指示式は、最大トルクの20%・60%・100%の3点で校正します。

単位の換算

計量法で、日本で作って売るトルク機器の単位はN·m・cN·m・mN·mだけです。100cN·mは1N·mです。古い図面にkgf·cmで書いてあれば、N·mに直して設定します。中村製作所の換算表では、35kgf·cmが3.43N·mです。

値段の見方

値段を公開しているのは、22製品のうち13製品です。差込角12.7mm・20〜100N·mのプレセット形は、中村製作所のN100QLKが22,500円、TONEのT4MN100が26,990円、KTCのCMPD1004が48,200円(税抜)で、この3製品だけで「安め・平均的・高め⁠」⁠を判定しています。東日製作所は日本向けの価格を公開しておらず、日本の公式サイトも2026年10月時点で閲覧できないため、販売店に見積もりを頼みます。

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