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GUIDE / INKJET-MARKING

産業用インクジェットプリンターとは?仕組みと種類、レーザーマーカー・熱転写との違いと選び方

製造ラインで賞味期限・ロット・バーコードを刷る産業用インクジェットプリンター(マーキング機)の仕組み、小文字・大文字・サーマルインクジェット、熱転写、レーザーマーカーの違い、溶剤インクと消防法、段ボールのバーコード、期限表示の決まりを、メーカーの公式資料と公的資料をもとにまとめました。

2026年10月12日更新

この記事の答え

産業用インクジェットプリンターは、製造ラインを流れる製品・包装・段ボールに、賞味期限・ロット・バーコードを刷る業務用の印字機です。何に刷るかで方式が決まります。ボトルや缶の小さな文字は小文字インクジェット(CIJ)、段ボールの大きな文字は大文字インクジェット、紙箱の細かい文字はサーマルインクジェット(TIJ)、包装フィルムは熱転写(TTO)、インクを使いたくないならレーザーマーカーです。

産業用インクジェットプリンターとは何か

製造ラインに据え付けて、流れてくる製品に止めずに印字する機械です。コーダー、マーキング機とも呼びます。家庭用・事務用のプリンターは紙に刷りますが、産業用はボトル・缶・フィルム・段ボールなど、紙以外の物に刷ります。手で持って箱に当てるハンディ型とも違い、ラインの速さに合わせて自動で刷ります。

比較ページには、小文字インクジェット・大文字インクジェット・サーマルインクジェット・熱転写・レーザーマーカーの5つの方式を、各社の代表機の単位で載せています。ラベルに刷って貼るラベルプリンターは、ラベルプリンターの比較⁠にあります。

5つの方式と仕組み

小文字インクジェット(CIJ)

  • インクを粒にしてノズルから出し続け、1粒ずつ違う電圧で帯電させ、偏向板で曲げて文字を作ります
  • 印字していない間もインクを出し続けるので、連続型(コンティニュアス型)と呼びます
  • 製品に触れずに刷るので、キャップや缶、ボトルの曲面に向いています
  • 例:ビデオジェットのVideojet 1580+、ドミノのAx350i、日立産機システムのUX-D661J、キーエンスのMK-G1000、紀州技研工業のCCS7000

大文字インクジェット(段ボール用)

  • 必要なときだけインクを出すオンデマンド式のヘッドで、段ボール箱などの外装に社名・品名・ロット番号やバーコードを直接刷ります
  • 紀州技研工業のHQ8500は1ヘッドで最大130mmの高さまで刷れます。キーエンスのCC-1000は360dpiで刷り、印字を確かめるカメラを一体にしています

サーマルインクジェット(TIJ)

  • インク室の中のヒーターを瞬間的に熱し、できた泡でインクを押し出して刷ります
  • カートリッジを差し替えるだけでインクを替えられ、300dpi以上の細かい文字やバーコードが刷れます
  • 例:エーティーエーのAtajet SOL 1(缶の底やボトルの曲面)、モリコーの小型のヘリオスミニⅡ(段ボール・⁠⁠⁠紙箱)

熱転写(TTO)

  • 包装機に付け、リボンのインクをヘッドの熱で溶かしてフィルムに写します
  • 包装機の動きに合わせて、止めて刷る間欠と、流しながら刷る連続があります
  • 例:ビデオジェットのDataFlex 6530、ドミノのVx150i、イーデーエムのDT2000c、シンメイのSCS410c
  • イーデーエムのDT2000cは、白・青・赤のカラーリボンも使えます

レーザーマーカー(包装への印字)

  • レーザーの光で表面の状態を変え、インクを使わずに日付やロットを刻みます
  • 例:日立産機システムのLM-C331S(ペットボトル・包装フィルム・キャップ)、パナソニック インダストリーのLP-RH300S(レトルトパウチ・アルミ包材)

選ぶときに見るところ

  • 刷る物:フィルム・ボトル・缶・段ボールのどれか。インクが乗るか、テストで確かめます
  • 文字の高さと行数:賞味期限だけか、ロットやバーコードまで刷るか
  • 印字速度:ラインの速さ(m/min)に追いつくか。カタログの最高速度は文字の大きさや解像度の条件つきの値です
  • インク:速乾の溶剤インクか、有機則に当たらないインクか、水性か。染料インクか顔料インクか
  • 手入れ:止めたときにノズルを閉じる・自動で洗う仕組みがあるか。ノズル詰まり・インク詰まりを防ぎます
  • 置く場所:水で洗う食品工場なら、保護等級(IP55・IP66など)を見ます

溶剤インクと消防法

小文字インクジェットのインクの溶剤によく使うMEK(メチルエチルケトン)⁠は⁠、消防法の第4類・第一石油類(非水溶性)⁠で⁠す⁠。指定数量は200Lで、これを超えて貯めると消防法の規制がかかります。労働安全衛生法の第2種有機溶剤にも当たるので、換気と保管の場所を決めておきます。有機則に当たらないインクを選べる機種もあります。

段ボールに刷るバーコード

  • 段ボールケースなどの集合包装に付ける集合包装用商品コードは14桁です
  • ITFシンボルは、段ボールのように読み取りに良くない環境で使う前提で、印刷精度の決まりがJANシンボルより緩くなっています
  • ケースに日付やロットをバーコードで入れるとき、一次元シンボルならGS1-128がすすめられています
  • バーの色に、赤系統(オレンジ・ピンクなど)は使えません

期限表示の決まり

  • 消費期限:決めた方法で保存したとき、腐敗などで安全性を欠くおそれがない期限の年月日です
  • 賞味期限:決めた方法で保存したとき、品質が十分に保たれる期限の年月日です。過ぎても品質が保たれていることがあります
  • 製造所:同じ製品を2つ以上の製造所で作るなら、消費者庁に届け出た製造所固有記号で、製造所の表示に代えられます

値段と見積もり

掲載した製品は、どれもメーカーが値段を公開していません。刷る物、ラインの速さ、文字の大きさ、インクの種類を伝えて見積もりを取ります。本体だけでなく、インク・リボンなどの消耗品と保守の費用も一緒に聞いておきます。

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