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GUIDE / PROTECTIVE-CLOTHING

防護服とは?化学防護服・粉じん防護服・耐熱服の種類と、規格・素材・サイズ・価格の選び方

工場・除染・薬品取扱現場で使う防護服を、粉じん・液体・熱の防護対象から整理。JISのタイプ、素材と縫い目、使い捨てと再使用、サイズ、公開価格の確認方法をメーカーの公式資料からまとめました。

2026年10月28日更新

この記事の答え

防護服は、化学物質や粉じん、熱などから作業者の身体を守る衣服です。選ぶ順番は「何から守るか」「その物質や熱に合う素材・規格か」「サイズと着脱・廃棄の方法」で⁠す⁠。粉じん用、薬液用、耐熱用は同じ性能ではありません。薬品を扱う現場では、薬品名・濃度・作業条件を伝え、メーカーと適合性を確認します。

防護服とは

工場や設備の保守、除染、薬品の取扱作業などで、身体を有害物質や熱から保護する衣服です。粉じん対策の不織布つなぎ、液体化学物質を防ぐ密閉服、炉前で着るアルミ耐熱保護衣などがあります。

防護服のメーカー比較では、国内のメーカーと日本法人のある海外メーカーの自社製品を型式ごとに比べています。一般の作業着・難燃ブルゾンは作業服の比較で扱い、医療用ガウンだけの品や、販売店が扱う他社ブランド品は分けています。

防護対象で分ける種類

  • 粉じん・軽い飛まつ用は、粉じんや汚れの付着を抑える服です。東レのLIVMOA 3000やアゼアスのAZ GUARD 2000が該当します。規格適合の記載がない保護服と、適合品は分けて選びます
  • 液体・スプレー用は、薬液が飛ぶ作業などに使う化学防護服です。日光物産のバリアーマンC8050、アンセルのAlphaTec 3000 モデル111、デュポンのタイケム2000 Cなどがあります。薬品への適合性は製品ごとに確認します
  • 熱・輻射熱用は、炉前などの熱に備える専用保護衣です。日本エンコンの5010は製鉄・ガラス製造の炉前作業向け、帝健のRWW-21はアルミ蒸着のハーフコートです

この分け方は用途の整理です。化学防護服の規格で使う「タイプ」⁠と⁠は区別します。

JISのタイプは、数字が大きいほど強い?

数字は防護対象や構造の区分で、単純な強さの順位ではありません。日光物産の公式解説は、次のように分けています。

  • タイプ3は、液体化学物質に対する全身化学防護服です
  • タイプ4は、スプレー状の液体化学物質に対する全身化学防護服です
  • タイプ5は、浮遊固体粉じんに対する全身化学防護服です
  • タイプ6は、ミスト状の液体化学物質に対する全身化学防護服です

たとえばAZ GUARD 2000はタイプ5・6、2020LKはタイプ4・5・6に適合します。同じSMS不織布でも、適合するタイプと縫い目の作りが違います。

薬品名と濃度から確認する

タイプに適合していても、どの薬品にも使えるわけではありません。旭・デュポンの選定案内は、対応する薬品ごとの透過耐性の確認を求めています。薬品名・濃度と、飛まつか直接触れる作業かなどの条件をメーカーに伝えます。

素材と縫い目の見方

生地の名前に加えて、縫い目と開閉部を確認します。布を縫っただけの構造と、テープや溶接で隙間をふさいだ構造を同じものとして扱わないようにします。

  • アゼアスのAZ GUARD 2000は、SMS不織布を使う内縫いの続服です。接着できるファスナーカバーが付きます
  • アゼアスの2020LKは、同じSMS系でも縫い目がテープシームです。タイプ4・5・6への適合表記があります
  • 日光物産のバリアーマンP3050は、縫い目に耐液体テープを使い、ファスナー部にもカバーを付けています
  • アンセルのAlphaTec 3000 モデル111は、多層不織のバリア性積層体生地を使い、縫い目は溶接とテーピングです

興研のケミカルスーツCS-1型は、公式ダイジェストで用途とサイズを案内しています。規格・素材名・縫合方式はその資料に記載がないため、購入前に確認します。

使い捨てと再使用、脱ぎ方

使い切り・限定使用と書かれた製品を、洗濯できる作業着と同じ扱いにはしません。東レはLIVMOAシリーズを限定使用とし、洗濯には対応しないと明記しています。

  • 日光物産は、繰り返し使うことで付着物が飛び散ったり、破れたりする二次汚染の危険性を案内しています
  • 東レは、粉じんが舞う環境で脱ぐとインナーに粉じんが付くおそれがあると案内しています
  • 使用後の処理方法は付着物で変わります。産業廃棄物処理業者と自治体の方法を確認し、着脱と廃棄の場所を作業前に決めます

呼吸用保護具、保護眼鏡、手袋、靴も、作業条件に合わせて組み合わせます。防護服だけで身体のすべてを保護できるとは限りません。

サイズと暑さ対策

普段の服の記号だけで注文せず、型式ごとの身長・胸囲などの表を確認します。

  • AZ GUARD 2000のサイズは、M・L・LL・3L・4Lです。2020LKのサイズは、L・LL・3Lです
  • 興研のCS-1型のサイズは、M・L・LLです
  • 通気性を重視する東レのLIVMOA 3000は、粉じん用のタイプ5に適合します。液体化学物質用の服と同じ条件で選びません

アゼアスの2020LKの発表資料では、単層SMSつなぎ服のWBGT着衣補正値は0℃です。ただし、フードを装着した場合は1℃を加算します。補正値が0℃でも、熱中症が起きないという意味ではありません。必要な防護性能を確保したうえで、作業時間・休憩・水分補給を現場で管理します。

耐熱服と放射性粉じんの注意

AZ GUARD 2000と2020LKには、耐熱性・防炎性がありません。デュポンも、タイケム2000 Cを熱・炎・火花の周辺や爆発のおそれがある環境では使わないよう明記しています。

炉前では、アルミ加工生地の耐熱上衣などを熱の条件に合わせて選びます。上衣だけを注文する場合は、下半身・頭・手などの保護具も別に確認します。

放射性粉じんに対する防護と、外部からの放射線の遮へいも別です。旭・デュポンは、放射性粉じん用を内部被ばく防止用とし、外部被ばくには対応しないと案内しています。

価格と見積もりの取り方

AZ GUARD 2020LKのメーカー発表の参考価格は、1着1,639円(税込、税抜1,490円)で⁠す⁠。掲載製品で数値の公開価格を確認できたのはこの製品だけなので、価格の高低による順位は付けていません。

見積もり時は、使用する物質や熱源、作業内容、サイズ、必要数、使い切りかどうかを伝えます。規格の記載がない項目は、価格の確認と一緒にメーカーへ照会します。

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