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GUIDE / SHINKU-PUMP

真空ポンプとは?油回転・ドライ・水封式・エアコン用の種類と仕組み、排気速度・到達圧力の見方

業務用の真空ポンプの仕組み、油回転・ドライ・水封式・エアコン用(冷媒配管用)の4つの種類、排気速度と到達圧力の見方、オイル交換と逆流の注意、エアコンの真空引きでの選び方を、メーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

真空ポンプは、容器や配管の中の気体を吸い出して、まわりの大気より低い圧力(真空)をつくる機械です。選ぶときは「何を吸うか(水蒸気・油を嫌う工程か)」「どこまで低い圧力まで引くか(到達圧力)⁠」「どれだけ早く引くか(排気速度)」の3つを先に決めます。エアコンの工事なら、持ち運べる冷媒配管用を選びます。

真空ポンプとは

真空ポンプは、モーターでポンプを回して、つないだ容器や配管の中の気体を外へ押し出します。工場では、真空装置の粗引き、真空包装、真空乾燥、脱ガス、吸着・搬送の真空源に使います。エアコンや冷凍機を付けるときは、冷媒を入れる前に配管の中の空気と水分を抜く「真空引き」に使います。

比較ページには、業務で使う真空ポンプを、1社1〜2製品に絞って載せています。真空ブロワ・リングブロワ、液体を送るダイヤフラムポンプ、ターボ分子ポンプなどの高真空ポンプ、圧縮空気で真空をつくる真空発生器(エジェクタ)、手動のポンプ、家庭用は載せていません。

4つの種類と仕組み

  • 油回転真空ポンプ:部屋の中で偏心したローターと羽根が回って気体を吸い込み、油で封じて押し出します。2段にした型は、1段の型より低い圧力まで引けます
  • ドライ真空ポンプ:ポンプの中の気体の通り道に油を使いません。渦巻き(スクロール)・ルーツ・スクリュー・クローなどのしくみがあり、スクロールは固定した渦巻きと回る渦巻きのすき間で、気体を外から中心へ押し縮めます
  • 水封式真空ポンプ:ケースの中に水の輪をつくり、偏心した羽根車との間のすき間の大きさが変わることで、気体を吸って吐きます。水蒸気や水滴を含んだ気体を吸う所に向きます
  • エアコン用(冷媒配管用):持ち運べる小型の真空ポンプで、多くは2段の油回転です。100Vで動く型と、電池で動く充電式があります

このページの例は次のとおりです。

  • 油回転:アルバックのGLD‑137CC、佐藤真空のラムダ P135D、ライボルトのSOGEVAC SV 25 D
  • ドライ:アネスト岩田のISP‑250C、オリオン機械のKCPH30‑V‑01A、樫山工業のNeoDry15G
  • 水封式:イワキのMEAシリーズ、大阪真空機器製作所のW50S、佐藤真空のSB‑25
  • エアコン用:アサダの真空ポンプ4CFM Eco、BBKのBB‑260、HiKOKIのUP18DYA、TASCOのTA150XF‑B

排気速度と到達圧力の見方

排気速度は、1分(L/min)か1時間(m³/h)に吸う気体の量です。到達圧力は、そのポンプが引けるいちばん低い圧力で、数字が小さいほど高い真空です。どちらも50Hzと60Hzで変わる型が多いので、使う地域の周波数の値で比べます。

  • 油回転:アルバックのGLD‑137CCは60Hzで162L/min、ガスバラストを閉じた到達圧力は0.67Pa
  • ドライ:アネスト岩田のISP‑250Cは60Hzで300L/min、到達圧力は1.6Pa以下。オリオン機械のKCPH30‑V‑01Aは到達圧力100Pa以下
  • 水封式:佐藤真空のSB‑25は60Hzで450L/min、到達圧力は2.3kPa。大阪真空機器製作所のW50Sは2.7kPa
  • エアコン用:BBKのBB‑260は60Hzで170L/min、到達真空度は2Pa

単位は会社ごとに、Pa・kPa・mbar・ミクロンと分かれています。比べるときは、同じ単位にそろえて見ます。

油回転とドライの違い

ドライは排気に油が混じらず、オイルの交換もいりません。アネスト岩田のISP‑250Cは、冷却水も潤滑油も使いません。オリオン機械のKCPH30‑V‑01Aは、保守が8,000時間ごと、オーバーホールが32,000時間です。

油回転は、油の量と汚れをときどき見て交換します。止めたときに油が真空側へ逆流しないよう、逆流防止の機構の付いた型を選ぶか、止めたらポンプの中を大気に戻します。大気に近い圧力で長く回すとオイルミストが出るので、オイルミストトラップを付けます(佐藤真空 直結型油回転真空ポンプ ラムダ)⁠。

水封式を選ぶとき

水封式は、油のかわりに水で封じるので、蒸留・乾燥・濃縮のように水蒸気を多く吸う工程でポンプを傷めません(佐藤真空 水封式真空ポンプ SBシリーズ)⁠。封水の水を足しながら回すので、給水と排水の配管を用意します。イワキのMEAシリーズには、封水の一部を回して使う節水仕様もあります。

エアコンの真空引きで選ぶとき

  • コンセントが使えるなら100Vの2段機で足ります。大きな業務用エアコンや冷凍機には、排気速度の大きい型を選びます
  • 電源の取りにくい現場なら、HiKOKIのUP18DYAのような充電式があります
  • 止めたときに油が配管へ戻らないよう、逆流防止の弁の付いた型が多くあります
  • 引く真空度は、各エアコンメーカーのマニュアルに合わせます。古い配管を真空引きしたあとは、オイルを替えます(アサダの真空ポンプ取扱説明書)

値段

値段を出しているのは、エアコン用の4製品だけです。100Vの2段機は、アサダの真空ポンプ4CFM Ecoが58,000円、BBKのBB‑260が80,000円、TASCOのTA150XF‑Bが81,000円(どれも税抜)で⁠、比較ページでは60Hzの排気速度1L/minあたりにそろえて比べています。工場向けの油回転・ドライ・水封式は、吸う気体と使い方を伝えて見積もりを取ります。

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