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GUIDE / POWER-CONDITIONER

業務用のパワコン(⁠パワーコンディショナ)とは?集中型・分散型・単相・ハイブリッドの違いと選び方

工場・事業所・発電所で使う業務用のパワーコンディショナ(パワコン⁠)⁠の役目、集中型・三相の分散型・単相の小型・ハイブリッドの4つの方式、変換効率とMPPTの見方、停電のときの自立運転、出力制御とFITの決まり、塩害と保証の確かめ方を、メーカーと公的機関の資料をもとにまとめました。

2026年10月10日更新

この記事の答え

パワーコンディショナ(パワコン)は、太陽光パネルや蓄電池の直流の電気を、建物で使える交流に変える機械です。選ぶときは「受電は単相か三相か、何Vか」「パネルを何枚、どうつなぐか」「停電のときに何を動かすか⁠」⁠の3つを先に決めます。

業務用のパワコンとは

太陽光パネルが作る電気も、蓄電池にためた電気も直流です。工場や事務所の機器、電力会社の系統は交流なので、そのままでは使えません。パワコンはこの直流を交流に変え、あわせてパネルから多くの電気を取り出す制御(MPPT)と、系統に異常があったときに止めて切り離す保護の役目を持ちます。

比較ページには、事業所・工場・施設・発電所で使う太陽光・蓄電池用のパワコンを、1社1〜2製品に絞って載せています。家庭用だけの製品、UPS、EV充電器・V2H、中古品、他社の機種をそのまま売っている会社の製品、販売を終えた製品は載せていません。

4つの方式

方式 何が違うか 向いている所
集中型 三相・高圧向け。数百kWからMW級の大きな盤1台に電気を集める メガソーラー、高圧で受電する大きな工場
分散型 三相のストリング型。10kW級から125kW級の機を何台も並べる 工場・倉庫の屋根の自家消費、低圧・高圧の発電所
単相の小型 5.5kW前後の小さな機。住宅用と同じくらいの大きさ 小さな事業所の屋根、低圧の小さな発電所
ハイブリッド 太陽光と蓄電池を1台でつなぐ 停電対策、自家消費を増やす、蓄電池を後から足す

このページに載せたメーカーは、集中型がダイヘン・TMEIC・日新電機・富士電機・明電舎・SMAジャパン、分散型が安川電機・カナディアン・ソーラー・GoodWe Japan・SUNGROW JAPAN・ダイヤゼブラ電機・TMEIC・華為技術日本・富士電機・山洋電気です。単相の小型はシャープとパナソニック、ハイブリッドはエクソル・オムロン・山洋電気・シャープ・ニチコンです。

集中型は台数が少なく点検の場所がまとまりますが、1台が止まると発電所の大きな部分が止まります。分散型は1台が止まってもほかの台で発電を続けられ、屋根の向きや影が場所で違うときにも回路ごとに発電を拾えます。

変換効率とMPPTの見方

変換効率は、直流の電気をどれだけ失わずに交流に変えられるかを表します。このページでは、TMEICのSOLAR WARE 125JRNが最大99.2%(875VDC時)、富士電機のPIS-50/500-Jが最高99%です。単相の小型は、パナソニックのVBPC255GM4TとシャープのJH-55TP4がどちらも96.5%(力率0.95時)です。

効率には「最大効率」「EURO効率」「JIS効率(定格負荷効率)」など測り方の違う値があります。富士電機のPVI1500CJ-3/2500は最高98.7%・EURO効率98.5%、華為技術日本のSUN2000-188KTL-NHH0は最大98.8%・JIS効率98.05%のように、同じ機でも値が変わるので、同じ物差しの値どうしで比べます。

MPPTは、パネルから最も多く電気を取り出せる電圧を追いかける制御です。MPPTの数が多いほど、向きや影の違う面を別々に追いかけられます。パナソニックのVBPC255GM4Tは4回路それぞれにMPPTを持ち、GoodWe JapanのGW50K-SMT-JP-G10はMPPT 6回路(入力12回路)です。

入力電圧とパネルのつなぎ方

パネルを直列につなぐ枚数で直流の電圧が決まり、それがパワコンの入力電圧の範囲に収まるように組みます。

  • 低圧の範囲:明電舎のSP320-250T-Gや日新電機のSOLARPACKは直流750Vまでで、低圧の施工基準で工事できます
  • 1,000V〜1,100V系:富士電機のPIS-50/500-J(⁠最大1100V)、GoodWe JapanのGW50K-SMT-JP-G10(⁠最大1100V)など、分散型の多くはこの範囲です
  • 1,500V系:TMEICの2500ER、富士電機のPVI1500CJ-3/2500、華為技術日本のSUN2000-188KTL-NHH0など。直列の枚数を増やして配線の本数を減らせるので、大きな発電所で使います

停電のときの自立運転

自立運転は、停電したときにパワコンを系統から切り離し、太陽光(や蓄電池⁠)⁠の電気だけで決めた負荷へ送る機能です。

  • 単相の小型:パナソニックのVBPC255GM4TとシャープのJH-55TP4は1.5kVA
  • ハイブリッド:シャープのJH-59TF4は5.9kVA、オムロンのKPBP-B-2は2.0kVA(⁠トランスユニットをつなぐと4.0kVA)、ニチコンのBS025038は三相で25kVA
  • 三相の分散型:安川電機のEnewell-SOL P3Aの多機能品は単相100V 1.5kVA、ダイヤゼブラ電機のEPL-T99MP5は単相3線式4.0kVA
  • 高圧向けの大きな機:明電舎のSP320-250T-Gや日新電機のSOLARPACKは自立運転がオプションで、切替盤を別に付け、開始は手動です

太陽光だけの自立運転は、日が陰ると出せる電気が減り、夜は使えません。夜や曇りの日も使いたいなら、蓄電池をつなげるハイブリッドにします。

出力制御とFITの決まり

資源エネルギー庁の資料によると、太陽光は出力の大きさに関係なく、原則すべての設備が出力制御の対象です。2021年4月以降は、東京・中部・関西を含む全エリアで無制限・無補償のルールが適用されています。10kW未満の太陽光は、当面の間、出力制御の対象外です。

  • オンラインで出力制御の指令を受けられる設備は、オフライン(手動)より実際の需給に近い運用ができ、出力制御の量を減らせます。太陽光のオンライン代理制御は2022年4月から入っています
  • パワコン単体ではなく、通信の機器と組んで出力制御に対応する機種があります。シャープのJH-55TP4は電力計測制御ユニットJH-ASP02、TMEICの125JRNは上位の通信機器、ダイヤゼブラ電機のEPL-T99MP5はマスターボックスと組み合わせます

「2026 FIT・FIP ガイドブック」⁠によると、10kW以上50kW未満の事業用太陽光でFITの新規認定を取るには、次の2つを満たします。

  1. 発電量の少なくとも30%を自家消費する
  2. 少なくとも10kW相当分のパワコンに自立運転の機能を持たせ、1.5kWの自立運転出力を確保する

出力50kW未満はFIPの対象外です。2026年度の屋根に付ける10kW以上の調達価格・基準価格は、最初の5年が19円、6〜20年が8.3円です。

JETの認証

JET(電気安全環境研究所⁠)⁠の系統連系保護装置等の認証は、系統連系を円滑に進めるための任意の認証です。取っている機種は公式の仕様に書いてあり、このページでは富士電機のPIS-50/500-Jが高圧系統連系保護装置等の認証、ダイヤゼブラ電機のEPL-T99MP5が多数台連系の認証、オムロンのKPBP-B-2がJET認証を取っています。電力会社との協議で求められる書類は、施工会社と先に確かめます。

置き場所と塩害

パワコンは屋外の壁や架台に付けるものが多く、保護等級(IP⁠)⁠と塩害への対応を見ます。

  • 重塩害への対応を公式に書いているのは、富士電機のPIS-50/500-J、TMEICの125JRN、安川電機のEnewell-SOL P3A、シャープのJH-59TF4
  • オムロンのKPBP-B-2は、海岸と汽水域から500mを超える場所に置く決まりです
  • ダイヘンのDISOLA POWER 500HV-HEXは、ステンレスの密閉箱で塩害地域にも置けます
  • 山洋電気のP73Lは使える温度が−10〜+40℃なので、置き場所の温度を確かめます

値段の比べ方

値段を出しているのは22製品中2製品で、どちらも単相の希望小売価格です(⁠2026年10月10日確認⁠)⁠。

製品 方式 価格 1kWあたり
パナソニック VBPC255GM4T(5.5kW) 単相の小型 612,000円(税別) 約111,000円
シャープ JH-59TF4(5.9kW) ハイブリッド 606,100円(税込) 約103,000円

方式が違い、同じ方式の中で値段を出している品が3つに満たないので、このページでは安い・高いの判定はしていません。JH-59TF4は蓄電池をつなぐなら別売の蓄電池用コンバータを足します。三相の分散型・集中型は、台数・組み方・工事の中身で値段が変わるので、見積もりを取ります。

保証の見方

保証の年数を公式に書いているのは一部です。

  • パナソニックのVBPC255GM4T:無償の15年(登録施工店の設置と申請が条件)
  • オムロンのKPBP-B-2:15年
  • シャープのJH-55TP4・JH-59TF4:システムまるごとの15年保証(有償、申し込みが必要)
  • 富士電機のPIS-50/500-J:センドバック保証5年、延長保証(⁠オプション)で最大10年
  • 山洋電気のP73J:有償のオプションで10年に延長
  • SMAジャパンのSC4400UP:発電所の年間稼働率97%を5年間保証する稼働日保証

選ぶ前に確かめること

  1. 受電:単相か三相か、構内の電圧(AC202V・AC440Vなど⁠)⁠に合うか
  2. 大きさとつなぎ方:集中型で1台にまとめるか、分散型で何台も並べるか
  3. パネル:直列の枚数が入力電圧の範囲に収まり、MPPTの数が屋根の面の数に足りるか
  4. 停電:自立運転の出力が、停電のときに動かしたい負荷に足りるか
  5. 出力制御:組み合わせる通信の機器と、電力会社の求める方式
  6. 置き場所:屋外か屋内か、保護等級、重塩害の対応
  7. 蓄電池:いま付けるか、後から足すか(⁠ハイブリッドにするか)

太陽光パネルの選び方は太陽光パネルの比較⁠、蓄電池の選び方は蓄電池の比較⁠にまとめています。

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