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GUIDE / LITHIUM-ION-BATTERY

リチウムイオン電池とは?産業用セル・モジュール・電池パックの種類と選び方

機器や車両へ組み込むリチウムイオン電池について、円筒形・角形・ラミネート形、セルとパック、リン酸鉄・三元系・チタン酸系の違い、公称電圧・容量・放電電流・寿命の確認点を公式資料からまとめました。

2026年10月27日更新

この記事の答え

機器へ組み込むリチウムイオン電池は、先に「セルから設計するか、組電池で調達するか⁠」を決めます。次に機器の電圧・連続電流・起動時の電流を揃え、容量と充電条件を確認します。円筒形などの外装と、リン酸鉄などの電極材料は別の区分です。寿命は回数だけで比べず、温度・放電深度・容量保持率まで見ます。

リチウムイオン電池とは

充電して繰り返し使う二次電池です。産業用途ではロボット・物流機器・車両・環境センサーなどに組み込みます。セル単体で調達する場合は、機器に合う保護回路と充電制御も設計します。

メーカー比較ページには、型番別に仕様を確認できたセル・モジュール・電池パックを載せています。据え置きの蓄電システムや、AC出力付きのポータブル電源⁠は別の比較です。

セルとモジュール・電池パックの違い

REF Electronicsの解説では、セルを直列・並列に組み合わせ、機器の動作電圧や電流、充電仕様、通信方式に合わせてパックを設計します。パックメーカーが他社製セルを使うこともあります。

  • セル単体では、電池を組み合わせる構造と保護回路を機器側で設計します
  • モジュールやパックは、保護回路・セル監視・通信の内蔵範囲を確認します
  • 村田製作所の型番LIPY041WWPCSY6は、25.6V・21AhでBMUを内蔵します
  • マクセルの型番BPL-2540Aは、25.2V・3.9Ahで過充電・過放電防止機能を備えます

モジュールという呼び方だけで保護機能の範囲は決まりません。電池と機器側の制御を、どこで受け持つかまで確認します。

外装の違いと電極材料

古河電池の解説では、円筒形・角形は金属の缶、ラミネート形はフィルムの外装です。古河電池は積層式ラミネート形をロボットやドローンなどに使います。

  • 円筒形では、村田製作所の型番US18650VTC6が公称3,120mAhです
  • 角形では、東芝のSCiB 23Ahセルが公称2.3V、定格23Ahです
  • ラミネート形では、古河電池の型番L0978G8D1が3.7V・9.3Ahです
  • 組電池では、GSユアサの型番LIM50EL-12が45.6V・48.5Ahです

外装とは別に電極材料を確認します。村田製作所のFORTELIONモジュールはリン酸鉄系、古河電池の掲載セルは三元系です。ニチコンのSLBシリーズは負極にチタン酸リチウムを使います。正極の分類と負極の分類を、同じ意味の名前として扱わないでください。

容量と放電電流の見方

容量だけで機器の駆動時間やモーターへの適否は決まりません。公称電圧、使える電圧範囲、連続放電電流、起動時の短時間電流を揃えて比べます。比較表の容量は原資料のAh・mAhを残し、公称・定格・標準・最小の別も記載しています。

  • 村田製作所の型番US18650VTC6は、連続最大放電電流30Aです
  • 同社の型番LIPY041WWPCSY6は、連続60A、25秒80A、5秒100Aです
  • GSユアサの型番LIM50EL-12は、最大放電電流300Aです。定格容量48.5Ahは0.2C放電時の値です
  • REF Electronicsの型番RL2410S29は、公称25.9V・11.6Ah、最大充放電電流10Aです

数値の根拠は、各製品の公式ページ・カタログと比較表にまとめています。最大値と連続値を置き換えず、実機の負荷と保護回路の動作を確認します。

サイクル寿命と低温での使い方

SaftのMP 176065 xlr公式データシートは、放電深度100%、充電C・放電C/2で1,800⁠回超と案内しています。GSユアサの公式発表は、LIM50ELについて25℃で11,000⁠回と記載しています。条件が揃わないため、この数字だけで寿命の優劣は決めません。

  • 寿命は、温度・充放電電流・放電深度・容量保持率を確認します
  • 充電温度と放電温度は別々に見ます。マクセルBPLパックは充電0〜40℃、放電-10〜50℃です
  • Saftの型番MP 176065 xlrは、充電-30〜60℃、放電-35〜60℃です。低温での充電条件はメーカーに確認します
  • グラフしかない製品は、グラフの末尾を寿命の保証回数として読み取りません

発注前に伝えること

  • 機器の電圧と、連続電流・起動時電流を伝えます
  • 使う温度、充電に使える時間、必要な通信方式を揃えます
  • セルの固定方法と保護回路、専用充電器の範囲を確認します
  • 数量、量産時期、機器の保守期間を伝えて供給期間を確認します

古河電池の産業用リチウムイオン電池は2027年3月末に販売終了予定です。型番L0978G8D1・L0678G8C1を新規設計へ使う場合は、継続供給と保守用の調達を先に確認してください。

マクセルBPLシリーズはオープン価格です。金額を公表していない製品は、機器条件と数量を揃えて見積もりを取ります。村田製作所とパナソニックはセル単体を一般向けに販売しない方針なので、乾電池のような交換用途とは分けて相談します。

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