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GUIDE / INDUCTOR

インダクタ(コイル)⁠と⁠は⁠・選び方

電子回路用インダクタの巻線・積層・金属複合の違いと、インダクタンス・定格電流・直流抵抗・寸法の確認方法。温度上昇と飽和電流の条件を分けて選びます。

2026年10月28日更新

この記事の答え

インダクタは、磁気エネルギーを蓄え、電流の変化を抑える電子部品です。DC-DC電源の平滑やノイズ抑制に使います。選ぶときは、インダクタンスを決めたあと、温度上昇許容電流・直流重畳によるインダクタンス低下・直流抵抗・寸法を品番ごとに照合します。

メーカー比較ページには、基板に実装する完成品のコイルを載せています。電力設備のリアクトル、ケーブルに通すフェライトコア、コア単体、コモンモードチョークは分けています。商社が売る他社ブランド品は載せていません。

巻線・積層・金属複合の違い

  • 巻線型は、コアに電線を巻いた構造です。TDKのB82462G4はフェライトコアにエナメル銅線を巻き、巻線を端子に溶接しています。磁気シールドがあり、産業機器や車載電源のフィルタ・DC-DC回路を用途に含めています
  • 積層型は、層を重ねてコイルを作る構造です。太陽誘電のLSCNA2012HKT1R0MAは積層メタル系で、外形は2.0±0.2×1.25±0.2mm、高さは0.8mm以下です。小型DC-DC電源向けとして案内されています
  • 金属複合型は、巻線と金属粉末などの磁性材を一体化した構造です。ビシェイのIHLPは複合材のシールド構造で、サーバー・POL電源・DC-DCコンバータを用途に含めています

金属複合型にも巻線があります。この比較では、積層型を先に分け、巻線品のうち金属複合構造を独立した区分にしています。方式名だけで電流の大小やノイズの減り方は決まりません。

出典:TDK B82462G4、太陽誘電の製品仕様、ビシェイ IHLP-2020BZ-⁠11⁠。

インダクタンスは測定条件も見る

インダクタンスは、エネルギーの蓄積と出力電流のリップルを抑えるために決めます。必要な値より小さくすると、DC出力のリップルが増えます。コイルクラフトの技術資料は、定格の測定周波数・電圧と、実際に使う回路条件を区別して説明しています。

  • TDKのB82462G4102M000は、1.0μH・公差±20%で、測定周波数は0.1MHzです
  • サガミエレクのCER3017C-100Mは、10μH・公差±20%で、測定周波数は1kHzです
  • 太陽誘電のLSCNA2012HKT1R0MAは、1.0μH・公差±20%で、測定周波数は1MHzです

測定周波数は、使用周波数の上限を示す値ではありません。実際のスイッチング周波数や直流電流で、インダクタンスと損失がどう変わるかを特性資料で確認します。

出典:コイルクラフト パワーインダクタの基礎、サガミエレクのカタログ⁠。

定格電流は発熱と飽和を分ける

温度上昇許容電流は、所定の温度上昇に達する電流です。直流重畳許容電流や飽和電流は、直流を流したときにインダクタンスが決められた割合だけ低下する電流です。回路では、発熱とインダクタンス低下の両方を確認します。

  • ボーンズのSRP4020TA-1R0Mは、温度上昇40℃で5.0A、インダクタンス低下20%で8.5Aです
  • TDKのB82462G4102M000は、周囲85℃・温度上昇40K以下でtyp3.40Aです。飽和電流はインダクタンスが約10%低下する条件で、typ4.70A・min4.40Aです
  • スミダのCDRH4D28NP-1R2NCは、周囲20℃・インダクタンス低下35%で、飽和電流の表のMax欄が4.08A・typ欄が5.10Aです。温度上昇許容電流の数値とは読み替えません

低下率の違う飽和電流を、そのまま大小順に並べても優劣は決まりません。回路が許すインダクタンスの低下量に合わせて、直流重畳特性を確認します。

出典:ボーンズ SRP4020TA、スミダ CDRH4D28、TDKの仕様書。

直流抵抗と基板の放熱

直流抵抗DCRは、巻線の抵抗を示す値です。最大値・typ値・公差付きの表記を区別します。抵抗は温度で変わり、実際の発熱は基板の放熱条件でも変わります。

  • ビシェイのIHLP2020BZEK1R0M11は、直流抵抗が最大18.1mΩ・typ16.8mΩです。温度上昇約40℃の電流はtyp7.5Aです
  • パナソニックのETQP3M1R0KVNは、温度上昇40Kで、FR4・厚さ1.6mm・4層基板ならtyp9.9A、高放熱基板ならtyp12.1Aです
  • ミネベアミツミのC3-P1.0Rは、捺印1R2を選ぶと直流抵抗が120.00mΩ、温度上昇40Kの電流が1.25Aです。抵抗のtyp・maxの区別は資料にありません

同じインダクタンスでも、そのまま交換しない

寸法・ランド・高さに加え、電流条件と直流抵抗を照合します。交換後は、使う基板と負荷条件で部品温度を確認します。

出典:パナソニック ETQP3M1R0KVN、ミネベアミツミ C3-P1.0R⁠、ビシェイの仕様書。

調達時に指定すること

  • 品番を包装記号まで揃えます。ビシェイのIHLP-2020BZ-11にはEK・ERの包装があり、同じインダクタンスでも発注単位が違います
  • 共通形式だけで仕様が決まらない製品は、インダクタンスや捺印まで指定します。この比較のC3-P1.0Rは捺印1R2に絞っています
  • 車載品は適合範囲まで確認します。サガミエレクのCER3017Cは端子強度を除くAEC-Q200適合です
  • 掲載した仕様資料には価格がありません。数量・包装・納期を揃えて見積もりを取ります

仕様と供給状態は2026年10月28日に公式資料で確認しました。必要な条件が決まったら、比較表で品番ごとの差を確認できます。

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