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GUIDE / YAKUHIN-HOKANKO

薬品保管庫(薬品庫)⁠と⁠は⁠?ステンレス・樹脂・薬用保冷庫の違いと、鍵付きを選ぶときの決まり

研究所・病院・学校・工場で試薬や毒物・劇物をしまう薬品保管庫(薬品庫)の3つの種類、地震で瓶を倒さない工夫、酸に強い材料の選び方、毒物及び劇物取締法の鍵と表示、消防法の危険物の扱いを、メーカーの公式資料と法令をもとにまとめました。

2026年10月13日更新

この記事の答え

薬品保管庫(薬品庫)は⁠、試薬や毒物・劇物を、鍵をかけて安全にしまっておく戸棚です。屋内に置くものは、たくさんの試薬瓶を地震から守るステンレスの薬品庫、酸に強い樹脂の薬品庫、低い温度で保つ薬用保冷庫(薬品冷蔵庫)の3つに分かれます。選ぶときは「何を置くか(酸か、毒物・劇物か、冷やす薬品か)」「どのくらいの量か」「地震のときにどう守るか」の3つを先に決めます。

薬品保管庫とは

薬品保管庫は、研究室・実験室・病院・学校の理科室・工場の検査室で、試薬や薬品をしまっておく戸棚です。薬品庫・薬品キャビネットとも呼びます。ふつうの書庫と違うのは、瓶を1本ずつ押さえて地震のときに倒さない仕組み、薬品に負けない材料、鍵の3つです。

比較ページには、屋内に置く薬品保管庫のうち、ステンレスの薬品庫・樹脂の薬品庫・薬用保冷庫を、各社の代表の型式の単位で載せています。屋外に置く危険物倉庫は危険物倉庫の比較⁠に載せていて、薬局の調剤棚だけのもの、医薬品の在庫管理システムは載せていません。

3つの種類

  • ステンレスの薬品庫:ステンレスの本体に、試薬瓶を立てて並べる棚や引き出しを組み込みます。例は島津理化のRC-55、オリエンタル技研工業のステンレス薬品保管庫 5列と排気型のSE、ダルトンのKX-101、クラフトワークの316DSBです
  • 樹脂の薬品庫:塩ビやポリエチレン、トレスパのような金属でない材料で作り、酸の蒸気でさびません。例はサンプラテックのP900、MTセキュリティジャパンのT-H385、島津理化のトレスパ製RCT-11です
  • 薬用保冷庫(薬品冷蔵庫):冷凍機で中を冷やし、薬品や試薬を決まった低い温度に保ちます。例はPHCのMPR-N200H、フクシマガリレイのFMS-055GMX、ダルトンのクーリングキャビネットCTです

地震で瓶を倒さない

地震で瓶が割れて薬品が混ざると、混ざった薬品が燃えて火事になるおそれがあります。島津理化は、ステンレス薬品庫を「地震発生時の薬品混合発火による火災を軽減する」⁠た⁠め⁠の薬品庫として案内しています。

  • 瓶を押さえる:棚ごとのガードバーと仕切板で、瓶を1本ずつ固定します(島津理化のRC-55)。トレスパ製のRCT-11には、耐震マットと転倒防止枠が付きます
  • 引き出しを開かせない:オリエンタル技研工業のステンレス薬品保管庫 5列は、地震でも引き出しが開きにくいラッチ式ハンドルです。島津理化のRC-55は、安全ロックで1列ずつしか引き出せず、本体が前に倒れません
  • 本体を固定する:付属の金具で、本体を床と壁に固定します。上下に重ねて使う庫は、重ねる金具でつなぎます

材料の選び方

  • たくさんの試薬瓶をしまうなら、ステンレス(SUS304)の引き出し式。縦の引き出し5列の型には、500mL瓶が75本入ります
  • 酸を多く置くなら樹脂。MTセキュリティジャパンは、本体の高密度ポリエチレン(HDPE)を塩酸・硝酸・リン酸などに浸しても外観に明らかな変化は無かったと公表しています。サンプラテックのP900は硬質塩ビ板で作っています
  • ステンレスで酸や塩素系の薬品を置くなら、SUS316。クラフトワークの316DSBは、塩酸・強アルカリ・塩素系の薬品にも強いSUS316で作っています
  • においやガスが出る薬品は、排気できる型。オリエンタル技研工業のSEは排気ユニットで外へ出し、MTセキュリティジャパンのT-H385は側面に換気孔があります

毒物・劇物をしまうときの決まり

毒物及び劇物取締法は、毒物劇物営業者に、毒物・劇物の盗難や紛失を防ぐ措置を求めています。この決まりは、毒物・劇物を業務で扱う人にも準用されます。

  • 鍵をかける:製造所や店舗の基準では、毒物・劇物を貯蔵する場所に、かぎをかける設備を求めています(毒物及び劇物取締法施行規則)。鍵付きの薬品庫に入れ、鍵を持つ人を決めます
  • 表示する:毒物・劇物を貯蔵する場所には、「医薬用外」の文字と「毒物」⁠ま⁠た⁠は「劇物」の文字を表示します。容器には、毒物は赤地に白、劇物は白地に赤で表示します
  • 分けて置く:サンプラテックのP900は下段に鍵付きの部屋があり、毒物・劇物をほかの薬品と分けられます

引火性の溶剤(消防法の危険物)

アルコールや有機溶剤のような引火性の液体は、消防法の危険物です。品名ごとに指定数量が決まっていて、指定数量以上は危険物の貯蔵所でないと貯蔵できません。指定数量より少ない量も、置く場所の位置・構造・設備の基準を市町村の火災予防条例が決めています。溶剤を多く置くなら、所轄の消防署に確かめ、屋外の危険物倉庫も考えます。

薬用保冷庫(薬品冷蔵庫)を選ぶとき

  • 温度の範囲:PHCのMPR-N200Hは、庫内を2〜14℃で調節します
  • 記録:MPR-N200Hは、温度・警報・扉の開け閉めの記録をUSBメモリーに出せます
  • 鍵:MPR-N200Hはシリンダー錠付きです。鍵の有無は型式ごとに確かめます
  • 大きさ:フクシマガリレイのFMS-055GMXは42Lの小型で、PHCのMPR-N200Hは幅460mmで218Lです。ダルトンのCTは、引き出し式の薬品庫に冷却機能を足し、天板を作業台に使えます

値段

値段を公開している製品は少なく、ステンレスの5列の引き出し式はオリエンタル技研工業が290,000円(Web Shop)、島津理化のRC-55が400,400円(税込)⁠で⁠す⁠。樹脂製は、島津理化のRCT-11が239,800円(税込)、サンプラテックのP900(上下セット)が431,000円です。ほかの製品は、寸法・台数・置き場所を伝えて見積もりを取ります。

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