この記事の答え
ラベルプリンターは、ロールに巻いたラベルに文字やバーコードを刷って1枚ずつ出すプリンターです。選ぶときは「どこで刷るか(机・ライン・持ち歩き)」「ラベルをどれだけ長く残すか(感熱か熱転写か)」「ラベルの幅とバーコードの細かさ(印字幅と解像度)」の3つを先に決めます。
ラベルプリンターとは
ロールに巻いた台紙つきのラベルに、熱やインクで文字・バーコード・QRコードを刷り、1枚ずつ出すプリンターです。バーコードプリンター、サーマルプリンターとも呼びます。出荷ラベルや送り状、現品票、値札、食品表示のラベルのように、1枚ごとに中身の違うラベルをその場で刷れるのが、事務用のプリンターと違うところです。
比較ページには、物流・製造・小売・食品の現場で使う業務用の機種を、方式ごとに各社の代表機で載せています。家庭用・文具のテプラ類、事務用の一般プリンター、ラベル用紙だけの製品は載せていません。
感熱と熱転写の違い
業務用のラベルプリンターの多くは、印字ヘッドの熱で刷ります。刷り方は2つです。
- 感熱(サーマル):熱で色が出る感熱紙のラベルに、そのまま刷ります。インクリボンを使わないので、ランニングコストを抑えられ、プリンターも小さくできます。そのかわり、長く貼ると色があせ、光や熱にも弱くなります
- 熱転写:熱と圧力で、インクリボンのインクをラベルに移します。リボン代はかかりますが、耐光・耐熱・耐薬品のリボンやラベルを選んで、長く残る表示にできます
ゼブラのZD421、サトーのCT4-LX、シチズン・システムズのCL-S700Ⅲのように、リボンを入れれば熱転写、外せば感熱で刷れる兼用機もあります。数日で捨てる出荷ラベルは感熱、製品に長く貼る銘板や現品票は熱転写、と使い分けます。
5つの方式
- 卓上型:作業台に置き、パソコンや基幹システムからのデータで刷る。例:ブラザー TD-4455DNWB、シチズン・システムズ CL-S700Ⅲ、マックス 楽ラベ LP-700SA3、サトー CT4-LX、新盛インダストリーズ HALLO neo-7、東芝テック BA410T、ゼブラ ZD421
- 産業用:金属の本体で、工場や物流センターで止めずに大量に刷る。例:ゼブラ ZT411、日本ハネウェル PM45
- モバイル型:電池で動き、持ち歩いてその場で刷る。例:ブラザー RJ-4255WB、サトー PW208NX、セイコーインスツル MP-B30L、東芝テック B-EP4DL
- カラー:顔料インクのインクジェットでカラーのラベルを刷る。例:エプソン CW-C6020、キヤノン LX-P5500
- ラベル貼付機:刷ったラベルを箱や商品に自動で貼る。計量値付機を含む。例:イシダ L-2000AT、寺岡精工 DPS-800、ビデオジェット Videojet 9560
卓上型には、印字幅4インチ(約104mm)の出荷ラベル向けと、本体のタッチパネルだけで食品表示を作れる店舗向けがあります。マックスの楽ラベ LP-700SA3と新盛インダストリーズのHALLO neo-7は、パソコンなしで食品表示ラベルを刷れる店舗向けです。
ラベル貼付機は、プリンターに貼り付けの仕組みを足した機械です。印字済みのラベルを貼るだけのラベラーと違い、その場でラベルを刷って貼ります。
仕様の見方
解像度
印字ヘッドの細かさです。203dpiは1mmに8ドット、300dpiは11.8ドットです。出荷ラベルのバーコードなら203dpiで刷れますが、小さな部品ラベルの細かいバーコードやQRコード、小さな文字は300dpi以上にします。ゼブラのZT411と日本ハネウェルのPM45は600dpiまで選べます。
印字幅と用紙の幅
刷れる幅と、入れられるラベルの幅は別の数字です。4インチ級の機種は印字幅が104mm前後で、出荷ラベルや送り状を刷れます。店舗向けの食品表示の機種は印字幅が68〜80mmほどです。刷りたいラベルの大きさを先に決めて、両方の数字を確かめます。
印字速度
最高速度はメーカーが一番速い条件で出した値です。東芝テックのBA410Tのように、熱転写で刷るときは速度が下がる機種もあります。1日に刷る枚数が多いなら、産業用(ゼブラのZT411は最高356mm/s)を選びます。
通信とコマンド
USB・LAN・無線LAN・Bluetoothのどれでつなぐかを、基幹システムやハンディ端末に合わせて選びます。プリンターはメーカーごとのコマンドで動きます。ブラザーのTD-4455DNWBやセイコーインスツルのMP-B30Lのように、他社のコマンド(ZPL IIなど)で動く機種なら、入れ替えのときに元のデータを使えます。
食品表示のラベルで気をつけること
加工食品の表示は、食品表示法にもとづく食品表示基準で決まっています。名称、原材料名、内容量、賞味期限や消費期限、食品関連事業者の名前と住所などを書き、原材料名は使った重さの割合の高いものから順に並べます。原材料の多い品はラベルが大きくなるので、印字幅の広い機種を選びます。量ってから値段を付けるなら、はかりと一体の計量値付機(寺岡精工のDPS-800など)を使います。
バーコードとQRコード
商品のバーコード(JANコード)は、GS1の決まりで13桁の標準タイプと8桁の短縮タイプがあります。物流で使う二次元のシンボルには、GS1 QRコードやGS1データマトリックスがあります。どれも業務用のラベルプリンターで刷れますが、細かいものほど解像度の高い機種が向きます。
値段の目安の見方
ラベルプリンターは、メーカーがオープン価格にしていることが多く、比較ページに載せた値段の多くは通販の価格です。卓上型の印字幅4インチ級は、サトーのCT4-LXが296,780円、東芝テックのBA410Tが439,780円、シチズン・システムズのCL-S700Ⅲが571,780円でした(税込・通販、2026年10月12日に確認)。熱転写で使うならリボン代、どの機種でもラベル代がかかるので、本体の値段と合わせて見積もりを取ります。