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GUIDE / CONVEYOR

搬送コンベアとは?ベルト・ローラ・チェーン・フリーフロー⁠の違いと、重さ・幅・速度・電源から選ぶ方法

工場や倉庫で箱や部品を運ぶ搬送コンベアの仕組み、ベルト・ローラ・チェーン・フリーフロー⁠の4つの方式の違い、運べる重さ・幅・機長・速度・電源の見方、コンベヤー⁠の安全の決まり(労働安全衛生規則)を、法令とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月10日更新

この記事の答え

搬送コンベアは、ベルトやチェーン、並べたローラの上に物を載せて、工場や倉庫の中で決まった道すじを運ぶ機械です。選ぶときは「何を運ぶか(箱か、小物か、瓶か、パレットか)」「止めて溜めたいか」「重さ・幅・長さ⁠」⁠の3つを先に決めます。巻き込まれるおそれがあれば非常停止装置を付け、使う日は作業の前に点検します。

搬送コンベアとは

物を載せる面(ベルト・ローラ・チェーン⁠)⁠を動かすか、物を転がして、決まった道すじを運ぶ機械です。箱を持って歩く手間を減らし、工程と工程のあいだを決まった速さでつなぎます。

比較ページには、工場や倉庫で1個ずつの物を水平に運ぶ、型番のある標準のユニット品を方式ごとに載せています。粉や粒を運ぶスクリュー・バケット、切りくず用、垂直搬送機、天井を走るオーバーヘッド、AGVは、別の機械なので載せていません。

4つの方式

方式 運び方 向いている物 このページの例
ベルトコンベヤ 両端のプーリに巻いたベルトをモーターで回す 小物・袋物・底が平らでない物 オークラ輸送機 ベルコンミニⅢ DMH、マルヤス機械 MMX2、三機工業 エスコンミニ シンプル
ローラコンベヤ 並べたローラの上を物が転がる。動力の無いフリーローラ⁠は手で押すか傾斜で流す 底の平らな段ボール箱・オリコン オークラ輸送機 PR型、三鈴工機 MS42型、セントラルコンベヤー MR3812
チェーンコンベヤ 板状につながったチェーンの上に物を載せて運ぶ 瓶や容器、機械加工部品を1列で流す 椿本チエイン WinCS mini、NKE CSQ88-P、ミスミ CVSPC
フリーフローコンベヤ 動き続けるチェーンの上で、ストッパで止めたパレットだけを溜める 組立ラインのパレット・治具台 NKE CSW62AM、ミスミ BVLPT3

ベルトとローラで迷ったら、物の底を見ます。底の平らな箱ならローラで運べますが、小物・袋物はローラの間に落ちたり引っかかったりするのでベルトにします。ローラのピッチ(間隔⁠)⁠が狭いほど小さめの箱も載せられるので、ピッチを選べる機種を見ます。オークラ輸送機⁠のPR型はローラ径42.7mmで、ピッチを50mmまで詰められます。

チェーンは、ベルトでは滑る物や、油で膨らむベルトを嫌う所に使います。椿本チエイン⁠はWinCS miniを、プラスチックモジュラーチェーンの標準コンベヤとして、ベルトコンベヤからの置き換えに案内しています。NKEのCSQ88-Pは、プラスチック⁠のテーブルトップチェーン⁠で物を傷つけずに運びます。

フリーフローは、次の工程が空くまでパレットを待たせたいときに使います。ストッパでパレットを止めても、チェーンは回り続けます。倍速チェーンは、チェーンより速くパレットが進みます。

運べる重さの読み方

運べる重さは、メーカーによって書き方が違います。

  • 1台あたり:三機工業⁠のエスコンミニ シンプルは10kg/台、マルヤス機械⁠のMMX2は20kg/台、オークラ輸送機⁠のベルコンミニⅢ DMHは最大50kg/台
  • 1mあたり:セントラルコンベヤー⁠のMR3812は200kg/m程度まで
  • ローラ1本あたり:三鈴工機⁠のMS42型は、400幅のローラ1本で静荷重強度85kg
  • 総搬送質量:NKE⁠のCSW62AMは、モーターの出力で変わり、200Wで最大250kg

同じ「重さ」でも、1台⁠に載る全部の重さか、1mあたりか、ローラ1本かで意味が変わります。運ぶ物1個⁠の重さと、コンベヤの上に同時に何個載るかを数えて、メーカーに伝えます。物を止めて溜める使い方では、運べる重さが下がる機種があります。椿本チエインは、溜めるときは最大積載量の半分以下で見るように書いています。

幅・長さ・速度・電源

標準品でも、型番で幅と機長を指定できます。椿本チエイン⁠のWinCS miniは機長を500〜4000mm⁠の間で指定でき、マルヤス機械⁠のMMX2はベルト幅50〜600mm、機長50〜800cmから選べます。

速度は、モーターと減速比、電源の周波数で決まります。三機工業⁠のエスコンミニ シンプルは50Hzの定速で2.3〜34.4m/min、ミスミのBVLPT3はワーク搬送速度9〜45m/minです。工場が50Hzか60Hzかを伝えます。

電源は、小型なら単相100Vで動く機種が多く、オークラ輸送機⁠のベルコンミニⅢ DMH、ミスミのCVSPC、NKEのCSQ88-P⁠は単相100Vを選べます。椿本チエイン⁠のWinCS miniは三相200Vです。フリーローラ⁠は電源がいりません。

コンベヤー⁠の安全の決まり(労働安全衛生規則)

  • 逸走・逆走の防止:停電や電圧降下で荷が逸走・逆走するのを防ぐ装置を備えたものを使います(第151条の77⁠)⁠。もっぱら水平で使うときなど、危険のないときは除かれます
  • 非常停止:体が巻き込まれるおそれがあるときは、すぐに運転を止められる非常停止装置を備えます(第151条の78)
  • 荷の落下:荷が落ちて危ない所には、覆いや囲いを付けます(第151条の79)
  • 乗らない:運転中のコンベヤー⁠に作業者を乗せません(第151条の81)
  • 点検:コンベヤー⁠を使う日は、作業を始める前に、原動機とプーリー、逸走等防止装置、非常停止装置、覆いや囲いを点検します(第151条の82)

条文はe-Gov法令検索 労働安全衛生規則⁠で読めます。

値段の見方

値段を出しているのは、このページの11製品中8製品です。小型のベルトコンベヤは、オークラ輸送機⁠のベルコンミニⅢ DMHが85,940円から、マルヤス機械⁠のMMX2が96,000円から、三機工業⁠のエスコンミニ シンプルが107,980円から(どれも税別・通販の最小構成)です。フリーローラは、三鈴工機⁠のMS42型とセントラルコンベヤー⁠のMR3812が幅300mm・機長1,000mmで17,980円(税別・通販)、オークラ輸送機のPR型が8,000円からです。

ミスミのCVSPCとBVLPT3は、古いカタログ(⁠2021年と2018年)⁠に値段が載っているだけなので、今の値段はミスミのサイトで確かめます。椿本チエイン⁠のWinCS miniとNKE⁠の2製品は、見積もりを取ります。

小型のベルトコンベヤは、脚が別売りの機種が多く、本体の値段だけでは床に置けません。見積もりや注文のときは、脚の高さ・ガイド・スイッチも一緒に決めます。

選ぶ前に確かめること

  1. 何を運ぶか:物の大きさ・底の形・1個⁠の重さ。箱ならローラも使える
  2. 止めて溜めたいか:溜めるならフリーフロー
  3. 同時に何個載るか、1台・1mあたりの重さ
  4. 幅と機長、前後の設備の高さ
  5. 速度と、電源(単相100V・三相200V、50Hzか60Hzか)
  6. 脚・ガイド・スイッチ・非常停止を、どこまで一緒に頼むか
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