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GUIDE / KASAI-HOUCHI

自動火災報知設備とは?感知器・受信機・無線式の違いと、工場・倉庫での選び方

工場・倉庫・事業所の自動火災報知設備(火災警報器)を、煙・熱のスポット型感知器、炎感知器と光電式分離型、P型・R型の受信機、無線式(特定小規模施設用⁠)⁠の4つに分けて、付ける義務のある建物、天井の高さと感知器の種別、検定の型式番号、点検と報告の間隔、値段の比べ方を、各メーカーの公式資料と消防法令(e-Gov)・総務省消防庁の資料をもとにまとめました。

2026年10月11日更新

この記事の答え

自動火災報知設備は、感知器が火災の熱・煙・炎を見つけ、受信機が火元の区域を示して、ベルや音声で建物じゅうに知らせる設備です。工場と倉庫は延べ面積500㎡以上、事務所は1,000㎡以上で付ける義務があります。選ぶときは「天井の高さと部屋の使い方(感知器の種類)」「警戒区域の数(受信機の回線数)」「今ある機器とのつながり(同じメーカーか⁠)」⁠の3つを先に決めます。

自動火災報知設備とは

自動火災報知設備(自火報)は、天井の感知器が火災の熱・煙・炎を自動で見つけ、受信機に信号を送り、受信機が火元の区域を示してベルや音声で建物じゅうに知らせる設備です。人が押して知らせる発信機(押しボタン⁠)⁠、ベルなどの地区音響装置もつながります。消防法施行令 第21条第2項第4号で、非常電源を付けることも決まっています。

比較ページでは、工場・倉庫・事業所で使う感知器・受信機・無線式の機器のうち、メーカーが自社の製品として公式サイトで今も案内しているものを並べています。住宅用火災警報器だけの製品、消火器・スプリンクラーなどの消火設備、ガス漏れ警報器、漏電火災警報器、火災通報装置、発信機・ベル・表示灯だけの単体、中古品、代理店だけが扱う製品は入れていません。

方式 何をするか 向いている場所 掲載した製品の例
スポット型の感知器 天井で煙や熱を見つける 事務所・倉庫・ふつうの高さの工場 ホーチキ SLV-2RL、パナソニック BV454818、ヤマトプロテック YHJ-K005
炎・分離型の感知器 炎の赤外線、広い空間の煙を見つける 天井の高い倉庫・工場、防爆の区画 能美防災 FDCJ003-R-X、ニッタン PB2D-019、日本ドライケミカル NSL204EXA
受信機 信号を受けて区域を示し、知らせる 守衛室・事務所の壁 ニッタン 1PM3-nLA、ホーチキ RPV-AAW□、パナソニック BVJ25151K
無線式 電池の感知器どうしが電波で連動 小さな福祉施設・宿泊施設、配線を引きにくい建物 ホーチキ MAI-SLAB-2RLYD、能美防災 FDKJ235-M、パナソニック BGW42717

付ける義務のある建物

消防法施行令 第21条第1項が、自動火災報知設備を付ける建物を、用途(施行令の別表第一⁠)⁠と面積で決めています。総務省消防庁の資料の表では、次のとおりです。

  • 工場(別表第一(12)項イ):延べ面積500㎡以上
  • 倉庫((14)項):延べ面積500㎡以上。地階・無窓階・3階以上の階は床面積300㎡以上、11階以上の階はすべて
  • 事務所((15)項):延べ面積1,000㎡以上
  • 指定可燃物を多く貯蔵・取り扱う建物:危険物の規制に関する政令 別表第四の数量の500倍以上なら、面積にかかわらず付けます(施行令 第21条第1項第8号)

用途が混ざる建物(複合用途)や、地階・無窓階のある建物は条件が変わります。図面を持って所轄の消防署に相談します。

感知器の選び方:天井の高さと部屋の使い方

天井の高さで、使える種別が決まる

消防法施行規則 第23条第4項第2号は、感知器を取り付ける面の高さごとに、使える感知器の種類と種別を決めています。

  • 4m未満:差動式・定温式・光電式スポット型などほとんどの感知器
  • 4m以上8m未満:定温式は特種か1種、光電式スポット型は1種か2種など
  • 8m以上15m未満:差動式分布型、光電式スポット型の1種か2種など
  • 15m以上20m未満:光電式スポット型(またはイオン化式スポット型)の1種
  • 20m以上:炎感知器だけ(第23条第4項第1号イ。炎感知器以外は付けない)

光電式分離型は、天井の高さの表とは別の決まり(第23条第4項第7号の3⁠)⁠で付け方が決まっています。高い倉庫では、炎感知器か光電式分離型を使うことが多くなります。

  • 能美防災のFDCJ003-R-Xは自動試験機能付きの赤外線式炎感知器で、高さ20mまでの空間を見張れます
  • ニッタンのPB2D-019と日本ドライケミカルのNSL204EXAは光電式分離型の2種で、公称監視距離は5〜100mです

煙か熱か

  • 煙感知器(光電式):熱より早く火災を見つけます。ホーチキのSLV-2RL、パナソニックのBV454818、日本ドライケミカルのNSS207EG、能美防災のFDK246、ニッタンのPK2B-DP-006A
  • 熱感知器(差動式・定温式):ほこり・水蒸気・排気ガスの多い所、厨房のように煙感知器を付けられない所に使います(消防法施行規則 第23条第4項第1号ニ)。ヤマトプロテックのYHJ-K005はサーミスタ式の差動式スポット型2種です
  • 湯気で鳴りやすい所:ニッタンのPK2B-DP-006Aは煙と湯気を見分ける2波長式です。常に湯気が出る所や湿度の高い所には付けられません

防爆の区画

可燃性のガスや蒸気が出る区画には、防爆構造の感知器を使います。日本フェンオールのFLS-12Eは耐圧防爆型の光電式スポット型(2種・3種)で、本質安全防爆の感知器のような専用の受信機がいらず、ふつうの受信機につなげます。水素の防爆に合うFLS-12E-H2もあります。

受信機の選び方:P型とR型

受信機は、感知器からの信号を受けて火元の区域を示す盤です。

  • P型:感知器を回線(警戒区域)ごとにまとめてつなぎ、回線ごとに区域を示します。1級は回線の多い建物まで使え、2級は回線の少ない小さな建物で使います
  • パナソニックのBVJ25151K:P型2級・5回線。今あるシンプルP-2シリーズからは内器の交換だけで替えられます
  • ホーチキのRPV-AAW□:P型1級・5〜20回線。リニューアル向けで、施工支援機能があります
  • ニッタンの1PM3-nLA:P型1級・5〜40回線。非常放送設備とつなげます
  • 日本ドライケミカルのNBP151AEA10:地図式のP型1級・10回線。建物の地図の上で発報場所を示します
  • R型:中継器を通して、感知器ごとの信号を受けます。回線の多い大きな工場や、どの感知器が作動したかを細かく知りたい建物で使います

1回線につなげる感知器の数にも上限があります(⁠ホーチキのRPV-AAW□はSLV煙感知器を1回線最大30個、ニッタンの1PM3-nLAは煙式KHシリーズを1回線最大40個)⁠。受信機と感知器のつながりはメーカーのカタログで決まっているので、受信機だけ替えるときは、今の感知器がつなげるかを先に確かめます。

無線式:特定小規模施設用と後付け

特定小規模施設省令(平成20年総務省令第156号)第3条で、特定小規模施設では、自動火災報知設備の代わりに「特定小規模施設用自動火災報知設備⁠」⁠を使えます。無線式の連動型警報機能付感知器だけで組め、配線工事がいりません。使える建物は、総務省消防庁予防課の資料では、カラオケボックス等・旅館やホテル・病院や有床診療所・福祉施設などで延べ面積300㎡未満のもの(特定一階段等防火対象物を除く)です。工場・倉庫・事務所そのものは、この代わりの設備の対象ではありません。

  • ホーチキのMAI-SLAB-2RLYD:最大4グループ・50台を登録、電池の寿命は約6年。定価は白色12,800円
  • 能美防災のFDKJ235-M:親器1台と子器などで最大16台連動、電池は約6年
  • パナソニックのBGW42717:子器14台まで、ワイヤレス増設中継器を使うと最大56台、電池は約10年。希望小売価格19,500円(税抜)

法令で義務のない小さな倉庫や作業小屋に、自主的に付ける使い方もあります。消防庁予防課の資料のとおり、電波の届き方によっては中継器を足します。

検定の型式番号

消防法施行令 第37条で、火災報知設備の感知器・発信機・中継器・受信機は検定の対象です。消防法 第21条の2第4項により、検定の表示が無いものは売ることも、工事に使うこともできません。カタログや製品ページの「国家検定型式番号⁠」⁠で確かめます。感知器は「感第◯~◯号⁠」⁠、受信機は「受第◯~◯号⁠」⁠の形です。

工事・点検・報告

  • 工事と整備:消防法 第17条の5で、消防設備士の免状が無い人は、決められた消防用設備等の工事や整備をしてはいけません。自動火災報知設備の工事は、消防設備士のいる会社に頼みます
  • 点検:消防法 第17条の3の3と消防法施行規則 第31条の6により、定期に点検して消防署に報告します。東京消防庁の案内では、機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回です(平成16年消防庁告示第9号)
  • 報告:工場・事務所のような非特定防火対象物は3年に1回、店舗やホテルのような特定防火対象物は1年に1回、消防署に報告します

値段の比べ方

比較ページのコストは、値段を公開している製品どうしを、同じ方式の中で比べています。

  • 2種の光電式スポット型(煙感知器)(3製品):ホーチキのSLV-2RLがベース込みで27,000円(標準価格)、パナソニックのBV454818と日本ドライケミカルのNSS207EGがヘッドだけで30,500円(税抜⁠)⁠。ベースまで入るホーチキを「安め⁠」⁠、ほかの2製品を「平均的」としています
  • 受信機:級と回線数で値段が大きく違うため、判定はせず値段だけ出しています。パナソニックのBVJ25151K(P型2級・5回線の内器)が200,000円(税抜)、日本ドライケミカルのNBP151AEA10(地図式P型1級・10回線)が589,000円(税抜)、ホーチキのRPV-AAW□(P型1級⁠)⁠がバッテリー込みで632,000円から
  • 無線式:値段を出しているのは2製品だけなので判定はしていません。ホーチキのMAI-SLAB-2RLYDが12,800円、パナソニックのBGW42717が19,500円(税抜)
  • 光電式分離型:値段を出しているのは日本ドライケミカルのNSL204EXA(⁠339,500円・税抜)だけです

機器の値段のほかに、配線と取り付けの工事、受信機の入れ替えなら古い機器の撤去がかかります。能美防災・ニッタン・日本フェンオール・ヤマトプロテックは価格を公式に出していないので、型式と台数、建物の図面を伝えて見積もりを取ります。

出典

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