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GUIDE / BOUKA-SUISOU

防火水槽とは?設置基準・耐震性貯水槽との違い・4つの方式と選び方

消防水利として地下などに水をためる防火水槽と耐震性貯水槽について、消防水利の基準(消防庁告示)の設置基準、二次製品の認定(日本消防設備安全センター)、Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型の荷重、コンクリート製・潜函式・鋼製・飲料水兼用の違い、国の補助、駐車禁止の範囲を、消防庁・e-Gov・HC式貯水槽工業会とメーカーの公式資料をもとにまとめました。

2026年10月14日更新

この記事の答え

防火水槽は、火事のときに消防車が水をくみ上げる消防水利として、地下などに水をためておく水槽です。容量は40㎥(40t)が基本で、地震に耐える設計で国の補助の対象になるものを耐震性貯水槽と呼びます。選ぶときは「上に車が乗るか(Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型)」「掘って据えられるか、潜函で沈めるか」「地下水位と液状化」の3つを先に決めます。

防火水槽とは

防火水槽は、防火貯水槽・防火用水槽とも呼びます。消防庁の「消防水利の基準」は⁠、消火栓・プール・河川などと並べて、防火水そうを消防水利の1つに挙げています。

今の防火水槽の多くは、工場で作った部材を現場で組む「二次製品」⁠で⁠す⁠。二次製品の防火水槽と耐震性貯水槽は、総務省消防庁長官から認定機関に指定された(一財)日本消防設備安全センターが、型式ごとに認定しています(HC式貯水槽工業会の案内)。

比較ページには、日本法人のある会社が自社で作り、安全センターの認定を受けた型を今も案内している製品だけを載せています。雨水貯留槽、飲み水だけの受水槽、現場打ちの工事だけのもの、中古、代理店品は入れていません。

設置基準

消防水利の基準(1964年消防庁告示第7号)で決まっている主なことです。

  • 常時40㎥以上の水をためるか、毎分1㎥以上を連続40分以上出せること(第3条)
  • 地盤面からの落差が4.5m以下、取水部分の水深が0.5m以上、吸管投入孔は一辺か直径が0.6m以上(第6条)
  • 建物から消防水利までの距離の基準があり、市街地以外のこれに準ずる地域では140m以下(第4条)
  • 大きな地震の火事に備え、耐震性のあるものを計画的に置く(第4条)

二次製品の防火水槽の認定では、さらに次のように決まっています(HC式貯水槽工業会の案内)。

  • 有蓋・有底の一槽式で、容量は40㎥⁠⁠⁠以上
  • 深さは、底設ピットを除いて地表から4.5m以内
  • 吸管投入孔の真下に、深さ0.5m以上の底設ピットを付ける

防火水槽と耐震性貯水槽の違い

構造の考え方と設計条件は同じで、旭コンクリート工業や日東は、耐震性能にも違いはないと案内しています。設計の水平震度0.288は、HC式貯水槽工業会の説明ではマグニチュード7.9に相当します。

  • 国の補助:耐震性貯水槽は補助率1/2、防火水槽は林野分だけで1/3(2025年4月現在、工業会の案内)
  • 容量:耐震性貯水槽は40㎥型・60㎥型・100㎥型に分かれる
  • ピットと深さ:耐震性貯水槽は集水ピットの深さ0.3m以上、深さは地表から概ね7m以内
  • 半地下:防火水槽は地上50cmまで出してよいが、耐震性貯水槽は地下式だけ

上に車が乗るか(Ⅰ型・Ⅱ型・⁠⁠⁠Ⅲ型)

  • Ⅰ型:公園・宅地など車が入らない所。10kN/㎡の荷重で設計
  • Ⅱ型:T-20(総重量200kN)の車が乗る所
  • Ⅲ型:T-25(総重量250kN)の車が乗る所

比較表では、ベルテクスのHC式、日東のNT式、ケンチのマリン防火水槽がT-25まで、丸栄コンクリート工業はⅡ型(T-20)までです。

4つの方式

  • コンクリート製:工場で作った箱型のブロックを地下に並べ、PC鋼材で締めて1つの水槽にする。重いので浮き上がりにくい
  • 潜函式:筒形の本体の中を掘りながら沈めて据える。矢板で周りを締め切らずに済み、狭い道路でも置ける
  • 鋼製:鋼板を溶接して作る。完成品で運び込む横円筒形や、基礎の上に置く地上設置型がある
  • 飲料水兼用:水道の水を流し続けて入れ替え、災害のときは飲み水と消防水利に使う

工事の日数と段取り

  • HC式の40㎥は、基礎のコンクリートを固めたあと、製品の据付1日・防水1日で終わる
  • 防水材は、夏2日・冬4日・春と秋3日の養生をとってから埋め戻す(HC式貯水槽工業会)
  • 据え付けには、標準で40t吊りのトラッククレーンを使う(HC式貯水槽工業会)
  • 地上に置くカナサシテクノサービスのK40‑BUG型は、本体工事3日、基礎の養生込みで8日

地下水位と液状化

  • コンクリート製は重いので、HC式は多くの現場で浮力対策工がいらないと案内している
  • 日東は、浮力に対抗する張出部材を本体に付けられる
  • カナサシテクノサービスのサンドマジックは、液状化で出る水圧を地上へ逃がして浮き上がりを抑える
  • 埋め戻す前に大雨が来るときは、排水ポンプと土のうの重しで浮き上がりを防ぐ(HC式貯水槽工業会)

価格の調べ方

比較表に載せた11製品で、値段を公開しているメーカーはありませんでした。

  • 価格の資料は、建設物価調査会の月刊建設物価と、経済調査会の月刊積算資料(HC式貯水槽工業会)
  • 国の補助の基準額は、耐震性貯水槽の40㎥型で7,993千円、防火水槽(林野分)で3,505千円(2025年4月現在、工業会の案内)
  • 見積もりは、容量・設置区分(Ⅰ〜Ⅲ型)・土かぶり・搬入路・地下水位を伝えて取る

駐車禁止の範囲

道路交通法第45条で、消防用防火水槽の側端や、道路に接する出入口から5m以内は駐車禁止です。吸水口・吸管投入孔、消火栓や指定消防水利の標識がある所から5m以内も駐車禁止です(札幌市の案内)。

出典

  • 総務省消防庁「消防水利の基準」 https://www.fdma.go.jp/laws/kokuji/post27/
  • 道路交通法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
  • HC式貯水槽工業会「FAQ」 https://www.hctyosuisou.jp/faq.html
  • HC式貯水槽工業会「認証・認定」 https://www.hctyosuisou.jp/nintei.html
  • 各メーカーの公式の製品ページ・カタログ(比較ページの出典を参照)
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